同名漫画作品を原作にした本作で、上野さん演じる朝顔は東日本大震災で母を失い、その遺体すら見つからないという対峙しようのない悲しみを抱えており、それゆえに遺体を「どうして亡くなってしまったのか分からない“不詳の死”には決してさせない」という揺るぎのない信念を持っている。
第1シーズンのラストで、悲しみは完全に癒えずとも前へ一歩踏み出し、母の実家があり、母が被災した東北の海辺の街を再び訪れることができた朝顔。その翌年の5月を舞台に本作は始まる。
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柄本さんが演じるのは朝顔の母・里子(石田ひかり)の父である嶋田浩之(しまだ・ひろゆき)。もともと陽気な性格ではないものの、東日本大震災以来、人が変わってしまったかのように寡黙になる時も。第1シーズンでは、里子の遺体を探しに来る平(時任三郎)に冷たく当たっていた浩之だが、後半からは平の思いを受け入れ、自身も里子の遺体を探すように。孫の朝顔とはよく電話をするなど仲が良く、第1シーズンの最後にひ孫のつぐみ(加藤柚凪)に初めて会ってからは、目に入れても痛くないほど、つぐみをかわいがっている。
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柄本さんといえば、現在放送中の日曜劇場「半沢直樹』(TBS系)で大物議員を怪演しており、「悪人面がすごい」と話題沸騰中。本作では一転して、孫とひ孫を愛する好々爺を演じるが、2クール連続放送のTVドラマに出演するのは連続テレビ小説「やんちゃくれ」(NHK1998年10月~1999年4月)以来、実に22年ぶり。
柄本さんは「また孫たちに会えることを、とてもうれしく思います。見ていただければ幸いです」とコメント。第1シーズンのラストで、朝顔、平、桑原(風間俊介)、つぐみが浩之の家を初めて訪れた時、どうしてここに里子はいないのかと亡き娘に思いを馳せ、浩之が慟哭するシーンは、いまなお名シーンとして語り継がれている。柄本さん演じる浩之は、第2シーズンではより物語のキーパーソンとなり、再び多くの涙を誘うことになるという。
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本作では、被災した土地の“いま”により具体的に迫り、2クール連続放送ならではの長期的な視点で、被災した方の“心”を見つめていく。さらに、新型コロナウイルスの影響で2020年秋・2021年冬クール連続の年越し放送となり、奇しくも2021年3月11日、東日本大震災から10年という節目を放送の中で迎えることになる。
「監察医 朝顔」は11月2日より毎週(月)21時~フジテレビ系にて2020年秋・2021年冬2クール連続放送。