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“騒音おばさん”事件をモチーフに、現代ならではのSNSや炎上商法問題を絶妙にミックスさせたエンタメ&社会問題提起作品として話題沸騰中の本作。公開初日の舞台挨拶はコロナ禍で見送りとなったが、主演の篠原さんをはじめ、“隣人”役の大高さん、天野監督らが新宿武蔵野館に来場した。
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約7か月もの延期を乗り越えての封切りに天野監督は、「企画立案から数えると約5年。時間をかけて公開に辿り着いたので感慨深い」とシミジミ。SNSに上がる感想は逐一チェックしており「どんな感想があるのか不安で仕方がなかったけれど、SNSでは嬉しい感想が盛りだくさん。すごく幸せです」と安堵の表情。
篠原さんも「ひとまず公開を迎えることができて感無量。コロナに勝った気分!」とユーモアを交えて喜びを表現。大高さんが「SNSなどで『絶対に観に行く!』というメッセージをいただいたりして、嬉しすぎて家で泣きました」と明かすと、篠原さんも「わかります!私も泣いちゃいました!」と公開を待ち望むメッセージに心震えたといい、「そんな人の気持ちも嬉しい」と大高さんも笑顔を浮かべる。
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篠原さん演じる真紀と大高さん演じる美和子の対立が、ひょんなことからSNSや配信動画でバズり、運命の大きな引き金となる。その事象はまさに“いま”を象徴している。天野監督は「映画の中で描かれていることに近しいことが現実で起きている。このタイミングに公開されたことで、よりタイムリーな作品になった」と実感。篠原さんも「とにかく多くの方に観てほしい。自信を持って推薦できる作品です」と完成度に胸を張る。
2人は「同志」「戦友」監督も太鼓判のグルーヴ感
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本作では、そんな2人の激しくも可笑しい隣人バトルも見どころの1つ。ベランダでの口喧嘩から実力行使へと発展するドタバタ劇はアクション映画さながらだ。篠原さんは「大高さんは魂で演じられる方なので、追いかけられる場面は本当に怖かった」と苦笑い。その大高さんは「篠原さんは走るのが本当に早くて必死で追いかけました。猛ダッシュし過ぎて靴下に穴が開いたくらい」と熱演を伝えた。
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また、大高さんはベランダを区切る衝立をぶち破るシーンについて「スタートの合図よりも前に私が蹴り飛ばしてしまい、篠原さんは本当に恐怖を感じて必死に衝立をよけています」と知られざる舞台裏を告白。布団タタキ場面にも秘話があり、「撮影時に肩を壊していて、バンバンやった後は整体に行って治療してもらってました。メンテナンスをしながら、思い切り振りかぶりました」と大高さんが明かす。劇中では犬猿の仲になる2人だが、篠原さんは「喧嘩をしている間柄でしたが、大高さんとは同志」と話すと、大高さんも「もはや戦友ですね!」と深い絆をうかがわせた。
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天野監督も「キャスティングが決まった段階でのリハーサルの時点で、二人の喧嘩は面白かった。それを観たときに『この二人ならば面白い映画になる』と確信を持ちました。撮影でも実際に二人ならではのグルーヴ感があった。喧嘩のシーンでは、アドリブによって二人のキャラクターがより肉付けされて深まっていくのを感じました」と太鼓判を押す。
「立場や視点が違えば、一つの物事もガラリと違って見える」
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真紀の娘を演じたのは、いま最も引っ張りだこの人気子役・新津ちせ。篠原さんは「役者として肝が据わっているし、強い意志も感じる。同時に子供らしさも持ち合わせている。そのバランスが素晴らしい。私にもすぐに懐いてくれました」と天才ぶりに目を細める。
公開前から上映劇場館が増えるなど、評価も評判も高い本作。視点を変えることによって事件の様相が一変する構成と、SNSという現代性を反映させたタイムリーなストーリー展開もその原動力だろう。
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天野監督は「立場や視点が違えば、一つの物事もガラリと違って見える。それによってすれ違いやディスコミュニケーションが生まれ、喧嘩や戦争が起きる。この構造は世のあらゆることにも共通していること。観客の皆さんに感じ取ってもらいたい」とテーマを語る。ノベライズ版も映画公開と同時に発売されており「基本的なストーリーは同じですが、キャラクターの背景や感情をより深掘りすることができました」と語っている。
最後に大高さんは「この作品を観て、明日も元気に頑張ろう!と思っていただけたら嬉しい」とアピール、布団の叩き方について「思い切り腰から振りかぶって、肩を壊すぐらい叩いて」とレクチャー。主演の篠原さんは「観てくれた方からは、ビックリした!価値観が変わった!という感想をいただきます。前情報なしで飛び込むように観てもらえたら、きっと驚いていただけるはず」と語っている。
『ミセス・ノイズィ』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開中。