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『夏時間』と『パラサイト』韓国社会の歪みをさりげなく描き出す共通点

韓国の女性監督ユン・ダンビの『夏時間』と、アカデミー賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』には意外な共通項があった。

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『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED 全 8 枚
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昨年、日本で公開され話題を呼んだ『はちどり』に続き、「韓国に注目すべき女性監督がまた現れた」(Seongyong’s Privates Place)と紹介されたユン・ダンビ監督の『夏時間』。実は、アカデミー賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』と意外な共通項があったことが分かった。

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■共通項(1)『夏時間』に登場する家族が住んでいたのは“半地下の家”だった!!
『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
主人公の少女オクジュと父と弟の3人は、父親の事業の失敗で、夏のある日、おじいさんの家に引っ越すことになる。そのおじいさんの家が本作の主要な舞台となるが、映画の冒頭では、3人の家族が元々住んでいた家からの引っ越しのシーンが描かれる。

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED『パラサイト 半地下の家族』より
それが『パラサイト 半地下の家族』で描かれていた半地下の家を想起させる地下の家。オクジュはその家を懐かしむように見てまわり、電気を消す、そして地下からの階段を上がり、表に出て引っ越し用の車に乗り込み、映画は始まる。

『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
ユン・ダンビ監督によれば、この住居のロケ地は監督が住む家の近くにある、再開発が間もなく始まる古い街並みが残る地域だという。

■共通項(2) 当初は『パラサイト』のようなブラックコメディだった!?
『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
誰もが記憶に残っている、夏休みの思い出。その懐かしくも記憶に刻まれる日々を、ひとりの少女の視点から日常生活の描写を主体に静かに描き出す本作は、実はまるで異なるものだったとユン・ダンビ監督はオフィシャル・インタビューで語っている。

「最初に書いたシナリオは『パラサイト 半地下の家族』のようなブラックコメディー風だったのですが、スタッフの意見を聴き、本当に描きたい内容なのか、それとも長編を撮るために物語を作り出しているだけなのか考えました。実体験を書いたわけではなく、情緒や感情に基づく私の経験の一部分をシナリオに反映させていきました。祖父の家で暮らしたことも、弟とケンカをしたことも、母と別れて暮らしたこともありませんが、登場人物たちの気持ちを十分理解し、共感できました」。

本作の出来上がりからは想像もできないが、もしかしたら『パラサイト』を超えるようなシュールで笑えるコメディに仕上がっていたかも!?

『夏時間』(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
本作がデビュー作となるユン・ダンビ監督は、第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたのを筆頭に、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭で、繊細さと確かな演出力が絶賛された。『はちどり』のキム・ボラや『わたしたち』のユン・ガウン、『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨンに並ぶ、新たな才能と呼ばれている。

『夏時間』は2月27日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。

《シネマカフェ編集部》

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