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【インタビュー】エル・ファニング、監督&製作業でも存在感増す 躍進の裏に「家族の支え」

スクリーンの妖精、永遠の天使――。確かな演技力とイノセントな魅力を併せ持つエル・ファニング。

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「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」 (C) 2021 MRC II Distribution Company, L.P.
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これまでに組んだ監督たちが、“師”としてそばにいてくれる



『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督や、『ガルヴェストン』で組んだ女優・監督のメラニー・ロランなど、クリエイターの友人も数多いエル。彼らから製作業・監督業のアドバイスなどは受けたのだろうか?

「はい、プロデュースに限らず、今までもたくさん話はしたし、あらゆることを教えてもらいました。私が若すぎたから、これまでにご一緒した監督たちは導いてくれたし、同時に護ってくれていたんだなと思います。皆さん優しくて、すごく感謝しています。

製作や監督については、マイク・ミルズとサリー・ポッター(『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』『The Roads Not Taken(原題)』でタッグ)とは特にたくさん話しました。サリーは女性の監督としてはパイオニア的な存在だと思います。他にも、多くの女性監督と仕事をした経験が生きていると感じています。彼女たちが成功する過程を見ていると、自分自身も刺激をもらえるんですよね」。


エルはここで、『SOMEWHERE』『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』と役者人生の節目で組んできたソフィア・コッポラ監督の名を挙げた。「ソフィアと初めて一緒に作った『SOMEWHERE』は、これまで私が経験した中では最大級の女性主導の大がかりなセットでした。あの作品を経ているからこそ、『大丈夫、私もできる』と思えるようになったんです」。

監督たちとのコラボレーションが、血となり肉となり、いまの自分を作っている――。エルにとっては、もの作りは決して“独り”ではないのだ。

「私は、映画学校にも通っていないし、技術的なトレーニングも受けていないんです。その代わり、セットを“教室”として、一緒に仕事をした監督たちから多くを学んできました。そして、その関係性は幸運なことに、いまだ続いているんです。私が監督をしたい、何かを創造したいと思ったとき、いつでも質問できる場所にみんながいてくれる。そしてそのことを、私自身が知っている。それってすごく素敵なことだと思うんですよね」。

グッチとコラボした短編で念願の監督デビュー!



「いまは、監督をしたい気持ちがすごくあるんです!」とはつらつと語るエル。「でも、大作を監督するのはプレッシャーを感じてしまうし、飛び込まなくちゃいけないとはわかっているんだけど、ちょっと怖い気持ちもあります(苦笑)。自分にとって、どうしても語りたい“正しい物語”を見つけるのが先だとは思っています」。

創作への衝動を抑えられないのか、くるくると表情が変わるさまがほほ笑ましい。そんな彼女の、新たな挑戦となったのがグッチとコラボレーションした短編『Gucci Always Wins』。エルは本作で、脚本・監督を手掛けているのだ。

「あれは素敵な“序章”になりました。3分という短い時間ですが、オファーをいただけて、コンセプト作りから携わることができ、脚本も自分で書いて…。母の家の裏庭で友だちと撮って、『こうやって自分が描いているビジョンに映像が宿るんだ!』とすごく楽しかったですね」。



創作の原点に立ち返り、「ものづくりの喜び」に声を弾ませるエル。ただそこには、役者という立場に対する苦悩もあったという。

「たまに、自分がパペットのように感じてしまう瞬間があるんです。もちろん自分が演じて、スクリーンの中で表現しているのだけど、このお話自体を作っているのは監督であり、脚本家なんだと思い知るんですよね。だからこそ、『自分のもの』と思える作品を作りたい、という願望がありました。『Gucci Always Wins』はロックダウン中だったこともあり、衣装から美術から、自分で用意しないといけなかったのですが、すごくやりがいを得られましたね。ただ同時に、ものづくりの責任というか、怖さも感じました」。

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《SYO》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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