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【レビュー】学園ドラマの令和型進化形、誕生!「ブラックシンデレラ」の魅力

「カワイイ」「キレイ」「カッコイイ」「イケメン」…といった言葉が氾濫するいま、ABEMA新作オリジナルドラマとなる「ブラックシンデレラ」は、莉子や神尾楓珠らを迎えて、“ルッキズム”(外見至上主義)に立ち向かう“逆襲”ラブストーリーを描く。

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「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc. 全 18 枚
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「僕だけが17歳の世界で」「M 愛すべき人がいて」など、10代~20代を中心に様々な世代から注目されるドラマを送りだしてきたABEMA。2019年には「フォローされたら終わり」で高校の同級生たちを通してSNS社会の歪みや闇を描き、昨年は3人の女子高校生やその親世代に性についての意識革命とアップデートを促した「17.3 about a sex」といった良作が生まれた。

2021年最初のABEMA新作オリジナルドラマとなる「ブラックシンデレラ」では、「Popteen」専属モデルで女優の莉子や、活躍著しい若手俳優の筆頭・神尾楓珠らを迎えて、ルッキズム(外見至上主義)に立ち向かう“逆襲”ラブストーリーを描く。「カワイイ」「キレイ」「カッコイイ」「イケメン」…といった見た目を褒める言葉が氾濫するいま、あえて挑む本作に注目した。


ミスコンに憧れる平凡女子と
ミスコン常連のハイスペック男子が出会う


「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
物語の舞台は、学園一の美男美女を決めるミスコンが行われる清蘭学園高等学校。莉子さん演じる平凡な女の子・神谷愛波は、幼いころのとある出来事をきっかけに、 当時のミスコン優勝者・ルイ(鈴木愛理) に影響され、自分もキラキラと光り輝く彼女のようになりたいと“ミスコン”に憧れを抱いている。

「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
そんな彼女がひょんなことから出会ったのが、同じクラスでもほとんど会話したことなどなかったナルシストで完璧なイケメン・橘圭吾(神尾楓珠)。デパートの御曹司で帰国子女、雑誌モデルでもある学園一の人気者。思わず彼をうっとりと見つめる女子生徒が続出することから、「俺に見惚れんなよ」が決めゼリフ。ランウェイを歩く圭吾のミスター清蘭ぶりは、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」の1シーンをも思い出させる華やかさだ。

「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
彼がミスター清蘭とすれば、ミス清蘭となるのが学園一の美女と謳われ、恋愛リアリティーショーにも出演するインフルエンサーであり、日本有数の美容ブランド・カスミコスメの令嬢・香澄百合(愛花)。その取り巻きの戸田京子(長見玲亜)と水島渚(木村葉月)や、圭吾の親友・滝川隼人(兵頭功海)はまさに「花より男子」「花のち晴れ~花男 Next Season ~」に登場した英徳学園の“F4”や“C5”のごとく、羨望の視線を集める学園ヒエラルキーのトップに君臨する者たちといえる。

「ブラックシンデレラ」木村葉月(C)AbemaTV,Inc.
その一方で、「私なんか…」が口ぐせで自分に自信が持てない愛波は、そんな圭吾や百合たちを親友の吉村ひまり(鈴木美羽)と遠くから見ているだけの日々。でも、圭吾と急接近したことをきっかけに、百合の勧めもあって夢の舞台・ミスコンに出場できることに。“イケメン”とは最近では性格や言動などを指して言われることも多いが、圭吾の分け隔てない態度はまさにそれだ。

そして、百合から「キレイはつくれるんだよ」と教えられた愛波は、圭吾に励まされながらメイクやウォーキングからリンパマッサージ、ランニングと、ミスコンのために少しずつ自己改造を始めていく。この流れはシンデレラストーリーといえ、「野ブタ。をプロデュース」なども彷彿とさせる。

「ブラックシンデレラ」兵頭功海(C)AbemaTV,Inc.
だが、ミスコン当日に思いがけない出来事が起こってしまい、すべてが台無しに…。失意の中で愛波が出会うのが、自分だけの世界を持つミステリアスな転校生・島村空(板垣瑞生)で、彼との会話が愛波を変える。

「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
憧れのミスコン優勝者・ルイがあのとき、キラキラとして見えたのは、勇気、 内面の美しさが輝いていたのではなかったか。自分はどうありたいのか、省みることになった愛波をはじめ、今後、登場人物たちも変化を見せていくことになるという。


★ネクストブレイク必至の若手俳優が熱演


「ブラックシンデレラ」鈴木美羽(C)AbemaTV,Inc.
愛波役の莉子さん自身、かつて人気恋愛リアリティーショー「月とオオカミちゃんには騙されない」に出演したことがあり、SNSの総フォロワー数250万越えを誇る人気モデル。今作ではごく平凡な女子高生から、シンデレラのように変身していく姿、そこから一転して絶望に直面し、力強く前を向こうとする姿まで多彩な挑戦を見せる。

莉子「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
また、そんな愛波とは対照的な存在、圭吾を演じるのは、昨年は10本以上の映画&ドラマに出演し、今年も主演映画『彼女が好きなものは』などが待機、存在感と演技力を磨く神尾さん。端正なルックスとクールな眼差しが印象的で、雑誌のアンケートで“NEXT国宝級イケメン”に選ばれた彼が ルッキズムに立ち向かうなんて、どんな反証を見せてくれるのか気になる。

神尾楓珠「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
そして百合を演じるのは、「ViVi専属モデルオーディション」でグランプリを獲得し、本作が俳優デビューとなる愛花さん。同世代の憧れの存在である百合が抱える屈折した部分は、美しい外見に覆い隠されているよう。カスミコスメ社長である母・慶子(雛形あきこ)との関係が影響を与えていそうだ。

愛花「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
一方、愛波の家庭は父(岡部たかし)が毎朝、家族の弁当を作り、母・めぐみ(須藤理彩)はキャリアウーマン。その母は「ミスコンや恋リアなんて、前時代的すぎる」と考える、いまを生きている同時代的な感覚の持ち主であることが分かる。

さらに、愛波が屋上で出会う “空”が好きな転校生・空はこうしたルッキズムが渦巻く学園に一石を投じる存在になるのかも。『ソロモンの偽証』で注目を集め、『ホットギミック ガールミーツボーイ』『映像研には手を出すな!』などの作品を経て話題の映画も控える実力派・板垣さんがキッチリと締めてくれるだろう。

板垣瑞生「ブラックシンデレラ」(C)AbemaTV,Inc.
脚本は、「チェリまほ」こと「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」が話題を呼び、「花のち晴れ~花男 Next Season~」「フォローされたら終わり」や映画『センセイ君主』『ヒロイン失格』といった、既定路線ではない学園ドラマを数々手がけてきた吉田恵里香が担当。自分にしかない個性や自己肯定について、悩みながらも少しずつ変わっていこうとする愛波の歩みをどう描いてくれるのか、期待が高まる。

ABEMA4月新ドラマ「ブラックシンデレラ」は4月22日(木)22時~配信開始(全8話)。

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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