カール・マルクスの3姉妹の末娘であり、社会主義とフェミニズムを結びつけた草分けの一人であり、時代を先駆けたエリノア・マルクス。女性や子どもたち、労働者の権利向上のため生涯を捧げ、43歳の若さでこの世を去った女性活動家エリノアの、知られざる激動の半生を初めて映画化した本作。監督・脚本を手掛けたのは、前作『Nico, 1988』(原題/17)でヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞を受賞したイタリア出身のスザンナ・ニッキャレッリ。
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2020年ヴェネツィア国際映画祭でワールド・プレミアを迎えた本作は、同映画祭コンペティション部門でFEDIC賞、ベストサウンドトラックSTARS賞の2冠に輝き、2021年のイタリアのアカデミー賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞に11部門ノミネート、3冠受賞を果たしている。
この度、解禁された日本版オリジナル・ポスターでは、激しく踊るエリノアの姿が目を引く疾走感のある鮮烈なビジュアルだ。エリノアを演じるのはフランソワ・オゾン監督『エンジェル』(07)の主演に抜擢されて以来、『つぐない』や『未来を花束にして』など話題作に出演してきたロモーラ・ガライ。本作の演技で「控えめながら、文句なしに人の心を打つ演技」(英・ガーディアン紙)と世界的に大絶賛を浴びた。
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また、解禁となった予告編は、革命家カール・マルクスの死から幕をあけるが、最愛の父の死を悼みながらも「自分の人生を生きたい」と宣言するエリノアの姿が映し出される。時代を先駆けた女性活動家として活躍し、大衆を前に男女平等の実現、労働者の権利向上を力強く訴えかける。
しかし、その陰で、「クイーンズ・ギャンビット」パトリック・ケネディ演じるエドワード・エイヴリングへの、苦悩に満ちた愛と政治的信念の狭間で引き裂かれていく姿が明らかとなっていく。アメリカの気鋭パンクロック・バンド「ダウンタウン・ボーイズ」によるカバー曲「インターナショナル」も登場し、クラシック×パンクロックの音楽が紡ぎだす本作の魅力が垣間見える予告編となっている。
『ミス・マルクス』は9月上旬よりシアター・イメージフォーラム、新宿シネマカリテほか全国にて公開。