【映画と仕事 vol.9 前編】Netflixの人気作にも参加! “ワードローブ・スーパーバイザー“として活躍中の日本人が語るアメリカの撮影現場

映画の世界に携わる人たちにお仕事の内容について聞く「映画お仕事図鑑」。連載第9回目となる今回、ご登場いただくのは、ニューヨークで“ワードローブ・スーパーバイザー”として活躍中の増田沙智さん。

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「POSE/ポーズ」シーズン2のエキストラ衣装チームのメンバーと
「POSE/ポーズ」シーズン2のエキストラ衣装チームのメンバーと 全 4 枚
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現場を止めるな! 次々と起こるトラブルにも臨機応変の対応!



――これまで、どういった作品に携わられてきたのか? また思い出深い現場やエピソードなどがあれば教えて下さい。

過去5年ほどでいうと、マーベル・コミックのテレビシリーズ、Netflixで公開されている「ジェシカ・ジョーンズ」のシーズン2&シーズン3、「デアデビル」のシーズン3、こちらもNetflixで公開されている、「POSE/ポーズ」シーズン2&シーズン3、映画だと今夏公開になる『Respect』という作品に携わりました。現在はアカデミー賞脚色賞を受賞した『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督とチームと共に、オハイオ州シンシナティーで映画を撮影しています。

どの現場でも、必ず何かしら忘れられないエピソードはあるのですが…だいぶ前になりますが、インディー映画の作品で、衣装トラックを運転するはずのPA(プロダクション・アシスタント)がトラックをピックアップしなければいけない時間になって突然「今日は疲れているから、運転したくない」と連絡をしてきたことがありました。私の家から衣装トラックまでは少なくとも車で30分、そこから必要な衣装を持ち出して現場まで行くとなると、少なくとも私の現場入り時間から1時間は遅れるなと思い、だいぶ焦りました。何とか時間を短縮して、現場には30分遅れて入り、ギリギリ衣装待ちという状況にもならずに済んだので結果オーライではありますが、自分たちのせいで全体を遅らせることになると思ったら、生きた心地がしませんでしたね。

「ジェシカ・ジョーンズ」シーズン2の撮影クルーと「ジェシカ・ジョーンズ」シーズン2の撮影クルーと
また別の現場では、当日の撮影1時間前になって、役者さんの代役(ドライビングダブル)を立てて運転をさせることになったから、その方の衣装を用意してほしいと要望を受けました。遠目からだし一瞬しか映らないということではありましたが、持ち合わせの衣装に似ているものが全くなかったので、代わりにその場にあった厚紙で作ったこともありました。何事もなく済んだので良かったですが、内心はだいぶ焦りました。今思えば、よくそんなこと許されたなと思いますけど(笑)、何があっても臨機応変に対応して、現場を止めてはいけないというのを肝に銘じています。この仕事は、大変なことのほうが多いように感じますが、それでも役者さんや自分のチームやスタッフさんたちに、「あなたがいてくれたから、この作品を完成させることができたよ。本当にありがとう」と言われた時には、やってきて良かったなと思います。

インタビュー【後編】では、ニューヨークで仕事をする上での金銭事情や語学力の問題、ユニオンへの加入などについても語ってもらっています。
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《text:Naoki Kurozu》

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