「社会にある嫌な面や問題を“面白く”取り上げる作品を“ちゃんと”作りたい」
――小林監督と言えば“映画監督”のイメージが強いですが、ドラマ作りと映画作りの違いはなんだと思われますか?
演出上テレビドラマになるとCMが入ることを見越してカットの構成も少し意識する部分があるんですが、ABEMAは尺の長さの自由度も高かったので、そうなってくるともう概念の問題かなと思います。
ただ、本作は視聴者が若者になるのでわずかながらですがカット数が多くなり、自分が普段は撮らないような映像構成になっているかと思います。自分の間口が広がったかなと思います。
――今後どんなテーマを取り上げていかれたいでしょうか?
「寄り添おうとしても尚かつどこかにある無理解」については引き続き考えています。
日本のエンタメ作品のモラル面での時代錯誤なところやモラルの低さが海外からも問われていると思うのですが、その現状は認めざるを得ない部分もある一方で非常に悔しくも思っています。人を傷つけるような作品ではなく、心細い思いをしている人に寄り添える作品でありたいといつも思っています。同じ志を持った人たちと不信感を解いた上で、社会にある嫌な面や問題を“面白く”取り上げる作品を“ちゃんと”作りたいです。
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――最後に、本作をどんな方に観ていただきたいか、作品の見どころと一緒に教えてください。
若い人たちに向けて“こんな風になっちゃうぞ”というよりは“あなたもきっとこうなるので、どうするか一緒に考えましょう”というメッセージを込めています。お酒を飲む・飲まないにかかわらず、この中の過ちのうちのどれかはきっと経験すると思うので。
あとはまだお酒を飲めない年齢の方にこそ、未知の世界を探求するような気持ちで観ていただき楽しんでいただきたいと思います。