新たな面が引き出されたラップシーン

――本作の台本を初めて読んでみた感想はいかがでしたか?
こんなにも攻めた内容で大丈夫なのかなと不安になりましたが、これをそのまま表現できたら面白くなりそうだなと思いました。鈴木おさむさんの脚本、小林監督の演出、そしてABEMAが掛け合わさったからこそ出来たことだと思います。
――本作の出演を通して、自分の新たな面が引き出されたところはありましたか?
初挑戦のラップシーンですね。しかも今だから言えるんですけど、前日に監督から「ここは変えよう」という指示が入ったりしてかなり大変でした(笑)。般若さんの前でそんな付け焼き刃のラップを披露して怒られないかなぁ~と緊張しましたし怖かったですね(笑)。

――ラップはどうやって練習されたんですか?
ラッパーのSAMさんが指導に入って下さりました。台本のラップを音に乗せて音源として送って下さって、それを聴きながら練習しました。
――今回演じられた口山はお酒を飲む前後でかなり人格が変わる役柄だったと思いますが、その変化感はどう表現されましたか?
お酒を飲むと別人格になる役柄なので、飲酒前の内向的な元のキャラクターと完全に切り離して飲酒後は“全くの別人”として見えるように演じました。
――犬飼さん自身と今回演じられた口山は何か共通点はありましたか?
自分も元々はお酒が弱かったので、そこは似ていますね。ただ、自分はお酒を飲んでもあまり変わらないので取り乱したりすることはないです。

――ラップシーン以外で撮影中印象深いエピソードはありましたか?
「アルハラは辞めましょう」というメッセージも込められた作品ながら、現場ではノンアルコールビールは結構飲みましたね(笑)。
――特にここが見どころというシーンはありますか?
最後に般若さんと一対一でラップバトルのような展開になるんですが、般若さんは敢えて“ラップっぽくなく”やられていて。そのハズし感が物語の中でスパイスになっていてエッジが効いているなぁと思います。本業ラッパーの方がラップをしない贅沢さと、それなのに俳優がラップをやっているっていう歪さが作風にも合っているかなと感じます。