“ノルウェー最大の罪”といわれた国家秘密警察によるユダヤ人強制連行の惨劇を描いた『ホロコーストの罪人』から、公開を前に冒頭映像が解禁となった。
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ナチス・ドイツのノルウェー占領から2年、欧州ではユダヤ人に対する強制撤去と根絶活動が始まった。オスロにある秘密国家警察本部も例外ではなく、1942年11月26日、副本部長のクヌート・ロッドはユダヤ人強制連行する指揮を取ることになる。
集められたのは、警官、ユダヤ人をオスロ港へと運ぶためのタクシー運転手。異様な雰囲気の中、クヌートは周りを見渡すと「諸君、我々は短時間での異例の使命を課せられた。任務は早朝のうちに、迅速かつ協調性に行わなければならない。パニックや不測の事態を避けるためだ」と淡々と話し「秘密国家警察の威信に関わる任務であり、成功は諸君の双肩に懸かっている」と発破をかける。
そして、ひと呼吸置くと「ユダヤ人家庭の女性を全員捕まえる。先月は対象外だった男性も今回は全員連行する」と告げ、「ユダヤ人の入院患者も対象だ。例外となる者はいない」と続ける。
映像は、薄暗い部屋の中で、無表情で立ち尽くす警官やタクシー運転手を次々と映し出す。やがて、静寂に包まれている夜明け前、一斉に各地域に散らばった無数のタクシーは、本作の中心人物・ブラウデ家の母サラのいる家にも迫っていた。
本作は、ホロコーストにノルウェー警察・市民らが加担していた知られざる衝撃の実話。ノルウェー系ユダヤ人たちはベルグ収容所に連行、強制労働を監視され、アウシュヴィッツ行きのドナウ号が待つオスロの港に強制移送された。その結果、ドナウ号に乗船したノルウェー系ユダヤ人の多くはそのままアウシュヴィッツでホロコーストの犠牲者となった。
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この歴史的悲劇を、平凡なブラウデ一家を通して描くことで、いまを生きる人々にも身近な恐ろしさとして訴えかける、感情を大きく揺さぶる壮大なドラマ。
出演は、『獣は月夜に夢を見る』のヤーコブ・オフテブロ、『ソフィーの世界』のシルエ・ストルスティン、『ミレニアム』シリーズのミカリス・コウトソグイアナキスほか。監督は、『HARAJUKU』で国内外の高い評価を得たエイリーク・スヴェンソンが務める。
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『ホロコーストの罪人』は8月27日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。