※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】濱口竜介監督「役者さんの演技に尽きる」キャスト&スタッフが強固な絆で作り上げた『ドライブ・マイ・カー』

『ドライブ・マイ・カー』のメガホンおよび、大江崇允氏と共に共同脚本を務めた濱口竜介監督が、制作秘話や作品へのこだわりなどを語った。

最新ニュース インタビュー
注目記事
『ドライブ・マイ・カー』(C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
『ドライブ・マイ・カー』(C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 全 21 枚
拡大写真

良いものを作るために譲れない部分と、変化していく必要があるもの


本作のカンヌ国際映画祭・脚本賞をはじめ、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が審査員グランプリ(銀熊賞)、第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』が銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど海外でも高い評価を受けている濱口監督。作品を作る上で大切にしていることは、良いものを作るために妥協せず、こだわるところはしっかり“我を通すこと”。

「この作品でもこだわった部分は二つありました。一つは本読みの時間をしっかり取ること。普通の映画作りのなかでは、なかなか時間をとれない部分であり、そこはスケジュールを組む人の理解が必要になります。あともう一つは、車をちゃんと公道で走らせるということ。街中で車に照明を付けて走らせるというのは、制作的にもかなり体力が必要な部分なんです。いまは室内で走らせて合成しても、多くの人は分からないほど技術は向上していますが、実際に走らせないと、俳優さんの演技に影響すると思うのでお願いしました」

“良いもの”を作ろうという強い意志のもと、キャストとスタッフが強固な絆で作品に向かうことで珠玉の作品ができあがる。しかし、本作も撮影中断を余儀なくされたように、コロナ禍が映画界にも大きな影を落とす。

「前向きに捉えるなら、根本的な作り方を考え直すいい機会かもしれません。これまで良いと思っていた慣習が、もしかしたら無駄なことかもしれない。いまできる状況で、一番良いと思うものを作るというシンプルな考えによって見えてくることもあると思います」

濱口監督は「役者さんの演技に尽きると思います」と作品の見どころを語る。この言葉通り、179分という時間いっぱいに、俳優たちの見逃してはならない、言葉や仕草、吐息や空気が映し出されている。

『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《text:Masakazu Isobe》

特集

関連記事

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]