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第78回ヴェネチア国際映画祭、金獅子賞は中絶をテーマとしたフランス映画

第78回ヴェネチア国際映画祭で、金獅子賞はフランス人監督オドレイ・ディワンの『Happening』(英題)に決定した。

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オドレイ・ディワン/第78回ヴェネチア国際映画祭 Photo by Marc Piasecki/Getty Images
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第78回ヴェネチア国際映画祭で、金獅子賞はフランス人監督オドレイ・ディワン『Happening』(英題)に決定した。

同作はアニー・エルノーの小説を映画化したもので、舞台は1960年代初期のフランスで中絶が違法だった時代。主人公の予期せぬ妊娠をしてしまった女子大生の苦悩が描かれる。審査員長のポン・ジュノ監督は、金獅子賞の選出に関して「満場一致で決まった」と話している。

ディワン監督は受賞スピーチで「私はこの映画を怒りを持ちながら作りました。また、心から強く望みながらも作りました。私の腹部、内臓、心臓、頭部とともに作った作品です。私は『Happening』を1つの体験にしたかったのです」と訴えた。

オドレイ・ディワン/第78回ヴェネチア国際映画祭 Photo by Vittorio Zunino Celotto/Getty Images

銀獅子賞は、ジェーン・カンピオンが監督・脚本を務めた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が受賞。ベネディクト・カンバーバッチが主演、実生活で婚約中のジェシー・プレモンス&キルスティン・ダンストが夫婦役を演じている。主人公はカリスマ的な存在感を放つ兄(ベネディクト)。一緒に牧場を経営している弟(ジェシー)のもとに、息子を連れた女性が嫁いできてから兄弟の関係に亀裂が入り、事態は思わぬ展開を見せる。

審査員大賞はパオロ・ソレンティーノ監督の『Hand of God -神の手が触れた日-』で、同作に主演したフィリッポ・スコッティが男優賞を受賞した。女優賞は、ペドロ・アルモドバル監督の『Madres Paralelas』(原題)に主演したペネロペ・クルス

マギー・ギレンホールが、脚本も手掛けた長編監督デビュー作『The Lost Daughter』(原題)で脚本賞を受賞した。

《賀来比呂美》

休日は猫とお酒と海外ドラマ♪ 賀来比呂美

大学で映画学を専攻、卒論のテーマに『ガタカ』を取り上げる。卒業後は映画やドラマのロケ地で有名なバンクーバーに留学し、街中に溶け込むベニチオ・デル・トロやアイス・キューブを見かけて大興奮。映画三昧の生活を送る。帰国後、数社を経て雑誌編集者として出版社に勤務。シニアの愛猫と過ごす時間を増やすべく、2016年からフリーランスライターに。執筆ジャンルは映画、音楽、ペットなど。人の話を聞くのが大好きで、俳優、ピアニスト、医師など数百名への取材経験あり。

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