『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサーが放つジャネール・モネイ主演のパラドックス・スリラー『アンテベラム』より、どこか違和感が漂う不穏な本編映像が解禁となった。
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この度解禁されたのは、公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)が、滞在しているホテルのフロントで友人と再会し会話を交わした後、白人女性のフロント係にレストランの予約をお願いするというもの。ありふれた日常のワンシーンのはずなのだが、何かがおかしい。この違和感は『ゲット・アウト』や『アス』で感じたそれに近しい。しかも各ショットやセリフには本作のパラドックスをひも解くヒントが散りばめられているようで…?
仕事で訪れたニューオーリンズで滞在しているホテルの部屋を出ようとしたとき、ヴェロニカはボーイから花束を受け取る。その花束には送り主の名前に「X」と記されているだけで、「帰郷を待っています」という謎のメッセージが添えられていた。「X」とは一体誰なのか? そして、帰郷とはどういう意味なのか?
そんな彼女が宿泊している部屋の名前は、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンの名前が冠された 「JEFFERSON SUITE」。黒人奴隷制度に反対の意を表していたことでも知られている大統領に由来する部屋が登場するのも何らかのメッセージなのだろうか?
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レストランの予約をフロント係に頼もうとしたヴェロニカは、ふいに肩を叩かれる。友人のサラである。謎の花束でナーバスになっていたヴェロニカは驚くものの、久しぶりの再会を喜ぶ。だがその後に交わすお互いの会話には「無意識なる過去を祓う」「過去は決して死なない」「過ぎ去りもしない」「先祖は夢に取り憑いて生き続ける」「未解決の過去は現在に害をなす」などと意味深な言葉が連なる。まるで何かよからぬ出来事を暗示しているかのようだ。
ちなみに、本作の冒頭でも「過去は死なない 過ぎ去りさえしないのだ」という、20世紀アメリカ文学の巨匠ウィリアム・フォークナーの小説「尼僧への鎮魂歌」に記された有名な一節が引用されている。繰り返される「過去」という言葉に込められた意味とは…?
サラと別れたヴェロニカは、フロント係の白人女性にレストランの予約を申し込む。だが彼女は穏やかに微笑みながらも、ヴェロニカを待たせたまま、かかってきた電話応対を始めてしまう。それが黒人女性であるヴェロニカに対して相応しい態度であるかのように…。フロント係の背後の壁に飾られているのは、白亜の屋敷が描かれた油絵。それは謎の女性とともに切り取られた場面写真の邸宅に似ているが…。全てが意味ありげに思える本編映像となっている。
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全編に散りばめられたヒントが全て繋がった時に浮かび上がる真実。その衝撃の結末を劇場で体感して欲しい。
『アンテベラム』は11月5日(金)より全国にて公開。※TOHOシネマズシャンテのみ11月7日(日)より公開