「どう演じたらいいか、答えをずっと探し続けるのが俳優の人生」
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「現実世界で起きていることに注意を向けられるのもエンターテインメントなら、現実逃避をさせてくれるのもエンターテインメント」とも語るマッツは、近作の『アナザーラウンド』や『ライダーズ・オブ・ジャスティス』でも名演を披露。すでに撮影済みの『インディ・ジョーンズ』最新作にも期待が高まっている。まさに、「現実世界で起きていることに注意を向けられる」作品から「現実逃避をさせてくれる」作品まで。幅広い作品に望まれ、巡り合う秘訣でもあるのだろうか。もちろん、名優であること以外に。
「どうだろう? 正直なところ、秘訣は分からない。指(人差し指と中指)をクロスして、幸運を祈るくらいはしているかもしれないけど。『役が僕に来ますように! 電話がかかってきますように!』ってね(笑)。でも、それはきっとみんなやっていることだと思う。確かに君の言う通り、いまのところすごくいい流れで来ているし、これが続けばいいなと願っている。いい流れが来た理由は本当に分からないけど、僕の仕事を気に入ってくれているのだと思いたいな。『マッツが演じるキャラクターがいる』といろいろな作品で思ってもらえたり、『マッツならどんな企画も可能だ』と思ってもらえたりしていたらすごくうれしい」。
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“いい俳優とは?”の答えは、「いまだに分からない」という。
「俳優としてどうあるべきか、どんな俳優が理想なのか。一言でシンプルに言い表すことはできない。むしろ、俳優にとってはすごく難しい問題なんだ。なぜなら、どう演じたらいいか、答えをずっと探し続けるのが俳優の人生。ある意味、探し続ける旅の道のり自体が俳優であることを指すと思う。もちろん、その過程で小さな方法や手段には出会えるのだけど、『これ!』という正解に出会うことは絶対にない。そう考えると、僕の俳優としてのモットーは、『仕事をし続けること』かもしれないね。仕事をし続けてさえいれば、何か学べることがあるかもしれないから」。