【ネタバレあり】「オビ=ワン・ケノービ」最終話:師弟対決の1つの決着と新たなる旅路 待望のあのキャラも登場

オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーが再び対峙する物語を描いた「オビ=ワン・ケノービ」がついに最終話を迎えた。ひと言でいえば、「期待していた、予想していたものが全てそこにあった」。

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「オビ=ワン・ケノービ」6話(C)2022 Lucasfilm Ltd.
「オビ=ワン・ケノービ」6話(C)2022 Lucasfilm Ltd. 全 6 枚
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「スター・ウォーズ」シリーズの伝説的なキャラクター、ジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービと銀河史上最も有名な悪役ダース・ベイダーが再び対峙する物語を描いた「オビ=ワン・ケノービ」がついに最終話を迎えた。ひと言でいえば、「期待していた、予想していたものが全てそこにあった」というところだ。

6話目ということで、新3部作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』と旧3部作『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』、そして続3部作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』へのオマージュと名セリフがふんだんに盛り込まれ、待望の“あの人たち”までも登場して師弟対決の1つの終幕を盛り上げてくれた。『エピソード3/シスの復讐』と『エピソード4/新たなる希望』、つまり新3部作と旧3部作を見事に繫ぐ作品の1つとなったように思う。


オビ=ワンとダース・ベイダー、1対1で再対決


前回、オビ=ワン(ユアン・マクレガー)とダース・ベイダー/アナキン(ヘイデン・クリステンセン)は過去の稽古を思い起こしながら思念で対峙することになった。その傲慢さゆえに判断が鈍ったベイダーを出し抜き、何とかリトル・レイア(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)やハジャ(クメイル・ナンジアニ)、ローケン(オシェア・ジャクソン・Jr)ら反乱分子たちと逃げ出したもののすぐに追っ手が迫ってくる。ここで本シリーズ最終話にして、初めての銀河での追跡劇が登場した。スター・デストロイヤーで前を見据えるベイダーの姿は旧3部作のころのようだ。

オビ=ワンはレイアたちを無事に逃がすために、ベイダーと決着をつけることを選ぶ。ローケンはこのまま一緒に逃げればいいと言うが、10年間ジェダイやフォース感知者を人知れず守ってくれた彼らの恩義に報いるためにも、オビ=ワンは彼らの未来を守りたかったのだ。今回、逃げ延びたローケンら銀河帝国に対する反乱分子たちはこの後、さらに団結して拡がり、組織化されていくことになる。

師弟の再対決は正真正銘の一騎打ちだ。だが、オビ=ワンの心持ちは3話のときとはまるで違う。『エピソード3/シスの復讐』とは逆に、岩だらけの星で待ち構えるオビ=ワンに向かってベイダーが宇宙船を下りてくるところから始まり、本格的に力を取り戻したオビ=ワンはついにあの戦闘ポーズを見せる。まず優勢なのはベイダーだ。少々過信もあるベイダー(こういうところが本当にちっとも変わらない)は、岩で生き埋めにしたオビ=ワンに向かい「本気で勝てると思っていたのか? とんだ間違い(You have failed.)だ。マスター」と言い捨てる。この辺りのセリフ回しも『エピソード3/シスの復讐』を意識している。

フォースで岩を必死に抑えるオビ=ワンに、これまでのアナキン、そしてダース・ベイダーとして再会してからの彼の言葉が次々と蘇る。「これで終わりだ」「ジェダイの嘘には騙されない」「もうダークサイドを恐れない」「お前が今の私を作った」…といった言葉とともに脳裏に浮かんできたのは、リトル・レイアとリトル・ルークのことだ。『スカイウォーカーの夜明け』ではオビ=ワン自身がほかのジェダイとともに同じようにレイに語りかけ、窮地を助けたことがあった。

リトル・レイアとリトル・ルークの未来を守りたいオビ=ワンは奮起し、形勢は逆転。ベイダーの胸元の生命維持装置を狙い、“地の利を生かして”そのマスクを破壊する。アニメシリーズ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン2の最終話でも、ベイダーはパダワン(弟子)だったアソーカ・タノにマスクを割られていたので、何となく同様の展開があるかもと予感はしていた。壊れたマスクの中から覗く瞳だけがギラギラとした、焼けただれた素顔のアナキンだ。

「アナキンは死んだ。私はその残骸だ」。変声機を通したダース・ベイダー=ジェームズ・アール・ジョーンズの声とアナキン=ヘイデン・クリステンセンの肉声が次第に入れ替わっていく。青いライトセイバーに照らされたオビ=ワンの表情には後悔と自責の念がみるみる広がる。涙を溜めながら「すまない」と詫びるオビ=ワンに対し、赤のライトセーバーに照らされたベイダー/アナキンは「アナキン・スカイウォーカーを殺したのはお前ではない 私だ」と答える。

そこでオビ=ワンはついに悟るのだ。圧倒的な力、支配欲、自己顕示欲…そういったものに囚われてアナキンは自らダークサイドに堕ちたことを。「我が友は本当に(truly)死んだようだ」と言い、「さらばだ ダース」と別れを告げるオビ=ワン。本シリーズで直接対峙するときには「アナキン」と言い続けてきたのに、ここでDarth(ダース:Dark Lord of the Sith)、つまり「暗黒卿」という言葉を選ぶとは…。

師弟の10年越しの決別。次の再会は『エピソード4/新たなる希望』のクライマックスまで持ち越される。同作でオビ=ワンが初めてルークに父親のことを話すとき、「アナキンはダース・ベイダーに殺された」と話したのも、この完全なる決別があったからだろう。

決別といえば、俳優ヘイデン・クリステンセンにとっても今回のシリーズはいい機会になったように思う。映画ファンでなくても、「スター・ウォーズ」ファンではなくても誰が知っている有名な悪役を演じたことで、『エピソード3/シスの復讐』以降も幾つもの代表作を持つユアンとは対照的に、彼はキャリアの面で苦労してきたといえるだろう。本シリーズはヘイデンにとっても、ある種の解放となったのではないだろうか。


ジェダイは常に2人1組で動く!2つのテーマソングとともに


オビ=ワンに敗れたダース・ベイダーと通信装置で会話をしていたのは、他ならぬダース・シディアス、銀河帝国パルパティーン皇帝だ。ベイダーに残る、かつてのマスター・オビ=ワンへの感情とわずかな善き心をこの時点でも見抜いていたようだが、ベイダーは「私の師はあなただけです、我がマスター」と嘯く。ここで重なるのはお馴染み「帝国のマーチ」。ダース・シディアス役は『スカイウォーカーの夜明け』ぶりにイアン・マクダーミドが演じた。

一方、リトル・レイアに挨拶に向かったオビ=ワンは、彼女に実の父母のことを話し、両方の素晴らしい資質を受け継いでいると伝えている。次に再会するのは『エピソード4/新たなる希望』の「助けて、オビ=ワン・ケノービ」を発動した後。それまで2人は今回あった波乱の冒険を秘密裏にする。お互いに「さよなら オビ=ワン」「さよなら お姫様」と言い合い、オビ=ワンがようやく「フォースと共にあれ(May the Force be with you.)」と口にすると「フォースのテーマ」が重なってくるのは胸アツポイント。

そしてもう1組、いつの間にか擬似的に師弟関係となっていたのが、オビ=ワンとリーヴァ(モーゼス・イングラム)である。唯一、オビ=ワンに「なぜアナキンがダークサイドに堕ちるのを止められなかった」と詰め寄ったリーヴァ。タトゥイーンのリトル・ルークを襲おうとするが、必死の抵抗を見せるオーウェン(ジョエル・エドガートン)&ベルー(ボニー・ピエス)のラーズ夫婦と、そして純真そのもののルークの姿に、かつてアナキンに追い詰められた自分の姿が重なり心変わりする。リーヴァもよき師匠に恵まれれば、優れたジェダイになれる運命もあったかもしれない。オビ=ワンは、命を落とした仲間の敵討ちができなかったと泣き崩れるリーヴァを憎しみから解放し、ダークサイドから救った。

きっとオビ=ワン自身も心の平安を得ることができたからこそ、マスター・クワイ=ガンの霊体(待ってました!!)が現れたのだ。「私はずっとここにいた」と師が言ったように、過去に囚われていたオビ=ワンには見えなかったのだ。クワイ=ガン・ジン役はもちろんリーアム・ニーソン。『エピソード1/ファントム・メナス』以来、23年ぶりに「スター・ウォーズ」に戻ってきた。この師弟コンビの再会も、今回期待していたことの1つだ。

たとえ後付けの設定と言われても、「オビ=ワン・ケノービ」は旧3部作、新3部作を愛するファンにとっては新たな視点を与え、行間がどんどん埋まっていくような感覚になったのではないだろうか。特に、怒りや恐怖、敵意でヘイト感情を植えつけ、その連鎖を促すのか。それとも、慈悲や敬意を持って接するのか。オビ=ワンやリーヴァの再生から、いまの世に贈るメッセージも見えてくる。

シーズン2への更新などはまだ何も決まっていないようだが、ユアンやヘイデンは乗り気らしい。8月31日(水)からは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の登場人物「キャシアン・アンドー」の物語や、2023年には実写版でアソーカ・タノを描く「アソーカ」(原題)が控えている。

はるかかなたの銀河系の物語は、まだまだ終わらない。

「オビ=ワン・ケノービ」は毎週水曜日16時よりディズニープラスにて独占配信中(全6話)。


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《上原礼子》

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