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【ドラマニア】「silent」「エルピス」ほか“記憶に残る”名作を厳選…10月期ドラマの「勝手にベスト3」

2022年のドラマも、いよいよ最後のクールとなりました。今期は、人の心の奥深くに潜む芯の部分に寄り添った作品が多かった印象です。今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が選んだ「勝手にベスト3」をご紹介。

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「エルピス―希望、あるいは災い―」
「エルピス―希望、あるいは災い―」 全 2 枚
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2022年のドラマも、いよいよ最後のクールとなりました。今期は、人の心の奥深くに潜む芯の部分に寄り添った作品が多かった印象です。今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が選んだ「勝手にベスト3」をご紹介。

“記憶に残る”名作を厳選して、ふり返っていきましょう。

第1位:様々な“会話”を軸にリアルな日常を切り取った「silent」


今期、SNSでは毎週木曜の放送終わりにこの作品の話題で大盛り上がり。令和のドラマ界に間違いなく一石を投じた切なくも温かいラブストーリー「silent」は、まさに記憶と心に残る名作と言えるでしょう。

若年発症型両側性感音難聴という病をきっかけに心を閉ざしてしまった想(目黒蓮)と、音のない世界で8年ぶりの再会を果たした主人公の紬(川口春奈)――ふたりがもう一度関係を深めることで、少なからず傷つけてしまう人がいるジレンマ。ただ幸せに笑い合いたいだけなのに…普通に生きることの難しさを痛感させられると共に、視聴者が「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と勇気をもらうことのできる日常のリアルな描写が、大変魅力的でした。

本作の物語は基本、誰かと誰かの“会話”を軸に進んでいきます。登場人物ひとりだけのシーンというのが極端に少ない印象。それがファミレスやカフェでの会話だったり、手話だったり、メッセージチャットだったりするのですが、言葉の端々に散りばめられた本音のカケラが、後からジワジワ胸を締めつけて癖になるんですよね…!

恋愛に限らず、人を愛することの難しさを教えてくれるドラマ「silent」は、未曽有の感染症に立ち向かういまの時代だからこそ、一人でも多くの人に見てほしい一作となりました。

第2位:クリエイターの“本質”に迫る熱き戦いを描いた「アトムの童」


ゲーム業界のバンクシーとも称される、若き天才ゲーム開発者「ジョン・ドゥ」が、ひょんな出会いから倒産危機の老舗玩具メーカーと手を組み、新作ゲームを作ることになる起死回生の物語「アトムの童」は、日曜劇場らしい爽快感を活かし、山崎賢人さん×松下洸平さん×岸井ゆきのさんら若手キャストを中心に、ゲーム開発の最前線を繊細に魅せてくれました。普段何気なくプレイしているスマホゲームアプリの裏側を知ることができて、非常に学びの多い作品だったように思います。

「ゲームは有害でしかない」とピシャリ言い放つ母親に、どんな作品を作れば、親の理解の元でより多くの子どもにプレイしてもらえるのか試行錯誤する那由他たち――いつか大人になってふり返ったとき、「あのゲーム楽しかったな」と思ってもらえるためなら、どんな難題でも乗り越えていくという強い姿勢こそ、クリエイターの“本質”なのではないかと、視聴のたび胸に熱い気持ちが込み上げてきました。

物語の後半、宿敵であったはずの資本企業(オダギリジョー)と手を組み、ぶつかりながらも新たな一歩を進んでいく痛快な逆転劇。作り手や企業、ファンが一丸となって大きな波を起こす、日本らしい文化の成長がとても面白かったですね。

第3位:日常で曖昧にされがちな罠、その“核心”に迫る「エルピス」


スキャンダルによって落ち目となったアナウンサー(長澤まさみ)が、バラエティー番組の若手ディレクター(眞栄田郷敦)の提言により、10代の女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追う中で、一度は失ってしまった自分の価値を取り戻していく社会派エンターテインメントドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」。

エルピスとは、古代ギリシャ語でパンドラの箱に残された「希望、あるいは災厄」のことを示すそうですが――警察や政治権力による隠蔽、マスコミによる忖度と、意図的に操作された巨悪の真相を解き明かす主人公たちが迎えるのは、果たしてどちらの結末なのか?

毎話世論がひっくり返され、手に汗握る展開が癖になる本作。アナウンサーの恵那は、過去に冤罪事件の報道を原稿通り読んだことがあり…。無意識とはいえ、偏向報道に手を貸した罪の意識に心砕かれていく彼女の姿は、まさに現代社会の闇に切り込んだ“核心”に迫る一作だったように思われます。

また同時に、彼女または彼らなりの正義を貫く上で、恋人や家族、友達との関係が微妙に変化。知らぬ間に大きな力の波にのみこまれている展開があまりにリアルで、思わず背筋がゾッと凍ってしまいました。最後の最後まで見逃せない結末と合わせて、こちらも記憶に残るドラマだったと言えるでしょう。

以上、2022年最後となる秋クール「勝手にベスト3」でした。ぜひ、あなたの総括と見比べてみてくださいね。次回は、来年のおすすめドラマをピックアップ予定です。お楽しみに。


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《YUKI》

三度の飯よりドラマが大好き YUKI

テレビ局での勤務を経て、フリーに転身。毎クール全ての作品に目を通す【ドラマニア】としてコラムを執筆している。近年はシナリオライターとしても活動の幅を広げており、乙女ゲームをはじめ、CMや謎解きなど、ジャンルを問わず様々な企画に挑戦中。

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