わずか数年でベルリン、カンヌをはじめとする映画祭から熱い注目を集めているベルギーのバス・ドゥヴォス監督の長編映画『Here』と『ゴースト・トロピック』が、2024年2月2日(金)より公開決定。併せて2作品共通の特報映像、ポスターと場面写真が解禁された。
2014年に長編第1作を発表したバス・ドゥヴォス監督。1983年生まれのドゥヴォスは、これまでに長編4作品を監督。いずれも多言語・多文化が共生し「ヨーロッパの縮図」ともいわれるベルギーにおいて、現代社会では見落とされてしまう些細な日常の断片をすくい上げて描くスタイルが特徴的。
16mmフィルムの淡い美しさをたたえたスタンダードサイズの映像と、唯一無二のサウンドスケープを響かせるギター、ゆるやかに展開していく物語に身を委ねると、人のさりげない優しさや思いやりを気づかせてくれる。
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今回、公開決定にあわせて解禁された約60秒の特報映像は、ベルギーのブリュッセルで暮らす2作品の主要な登場人物をワンカットずつ繋いで編集されたもの。具体的なストーリーには触れていないものの、「現代を生きる私たちをつなぐ優しく、静かな物語」とのテロップが入れ込まれている。
今回、ポスタービジュアルを手掛けたのは、グラフィック・デザイナーの大島依提亜氏。シンプルなデザインながら、両作品の主要な登場人物である『ゴースト・トロピック』のハディージャと『Here』のシュシュが、どこか響き合うかのようなデザイン意図も感じられ、現代ヨーロッパで最も重要な若手作家の1人とされるドゥヴォス監督の作家性を示唆するかのようなポスタービジュアルとなっている。
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『ゴースト・トロピック』真夜中の一期一会
<第72回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品>
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現代ヨーロッパの縮図とも言える大都市ブリュッセル。終電車を逃した掃除人が帰宅するまでを描いた、小さな小さな一夜の旅路。カンヌがベルギーの新鋭バス・ドゥヴォス監督を発見した、長編3作目となる記念碑的作品。
『Here』「この」瞬間、「この」場所で、「この」偶然を
<第73回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門最優秀作品賞&国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI 賞)ダブル受賞>
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誰の目にも触れない、植物学者と移民労働者が織りなす、些細で優しい日常の断片。他者と出会うことの喜びが、観る者の心をしずかに震わせる。バス・ドゥヴォス監督がその祝祭的世界観をさらに飛躍させた最新作。
<『Here』バス・ドゥヴォス監督コメント>
映画は静寂の瞬間に有機的に飛躍してゆく。
シュテファンが森でシュシュと再会したとき、ふたりは同じ時間を共有することになる。
互いに周囲の環境を観察し、耳を傾け、足元に広がる小さくて多様な世界に注意を払う。
注意深さとは、私たちが世界を再発見し、愛が芽生える前提条件なのかもしれない。
『Here』『ゴースト・トロピック』2024年2月2日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。