杉咲花主演映画『市子』より、市子の人物像に迫るアザービジュアル6種が公開された。
痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも、生き抜くことを諦めなかった川辺市子。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、杉咲さんが凄まじい熱量で体現し、圧巻の演技を披露。芝居を超え、役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。
今回公開されたアザービジュアルには、市子が無防備な笑顔で振り向く姿や、失踪するまでの3年間を過ごした恋人・長谷川(若葉竜也)と笑いながら歩く何気ない日常が切り取られ、切なくも悲しい宿命を背負って生きてきた市子にも、確かに幸せな時間があったことを感じさせる。
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また、その写真に載せられた市子や長谷川の劇中の言葉は、それぞれの瞬間の彼女の心情を捉え、ビジュアルをより一層エモーショナルなものへと引き上げている。
そして、笑いながら振り返る市子を写したフォーカスのあっていない1枚は、長谷川役の若葉さんが、劇中で実際に杉咲さんにカメラを向け、シャッターを切ったものだという。若葉さんとのシーンについて杉咲さんは「若葉さんが演じる長谷川の前に立っているだけで、不安が一気に払拭されて、この人に見つめられる世界に存在できていることを心の底から幸福に感じたんです」と市子として幸せな時間を過ごしたことを明かしている。
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一方で、空を見上げ、市子の生命力を感じさせる表情や、暑い夏の日の汗をぬぐう姿など、市子の底知れなさを窺わせるビジュアル、部屋の隅で座る市子、長谷川と暮らす部屋の窓から外を見ている市子の背中のカットなども含めた4枚は、彼女が何を思って生きてきたのか、どんな半生を送ってきたのか、観る者の想像を越えた孤独や空虚さを伝え、その表情だけでなく、空気感も掴みどころのない危うい市子の“存在感”を醸し出している。
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そんな市子について杉咲さんは、「(演じていても)自分でもわからない感覚が重要でした。市子が自分に近づいてきてくれたと感じた次の瞬間には、離れていってしまう。それがとても怖くもあり、体感した出来事を本当のものとして信じられる瞬間でもありました。その繰り返しが『市子』という映画だったと思います」とふり返り、「役をわかった気になってはいけない」と常々考えるという杉咲さんでさえ、市子という存在に翻弄されていたようだ。
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『市子』は12月8日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。