『サイドウェイ』アレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが再びタッグを組んだ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』。本作で本年度アカデミー賞助演女優賞受賞をはじめ、全58賞(3月5日時点)と全米の映画賞を総なめにしたダヴァイン・ジョイ・ランドルフの魅力に触れる本編映像が初解禁となった。
2019年、エディ・マーフィの相手役を務めたNetflix映画『ルディ・レイ・ムーア』で注目を集め、映画やTVドラマにひっぱりだこの存在となったランドルフ。
本作でのオスカー獲得後には、米タイム誌が選んだ「世界で最も影響力のある100人」に宮崎駿監督やソフィア・コッポラ、ジェフリー・ライト、カイリー・ミノーグ、マイケル・J・フォックスなどとともに選出され、ミシェル・ゴンドリー監督待望の新作となる世界的ポップスター、ファレル・ウィリアムスの伝記映画へのメインキャストとしての出演が発表。
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この5月に開催されたモードの祭典「メットガラ」では見事なデニムドレスを着用した姿が大きな注目を浴びるなど、話題に事欠かない。
もともと演技だけでなくクラシックの声楽やオペラも学んできた彼女は、2012年に舞台デビュー作でトニー賞主演女優賞にノミネートされ、コールマン・ドミンゴが本年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたNetflix映画『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』にも出演しており、“ゴスペルの女王”と呼ばれたマヘリア・ジャクソンを演じて圧倒的な歌唱を披露。
本作での受賞をきっかけにさらなる飛躍が期待される、いま最注目の存在となっている。
そんなランドルフが本作で演じるのは、全寮制の名門バートン校で料理長を務めるメアリー・ラム。クリスマス休暇を迎え、大半の生徒や教師が家族と過ごすために家に戻る中、彼女はこの学校に留まっていた。
今回初公開された本編映像が捉えるのは、食堂でくつろいでいたメアリーのもとに、同じく“留まる者”のひとりである古代史の教師ハナム(ポール・ジアマッティ)がやってきた場面。
メアリーのひとり息子のカーティスはかつてこの学校の生徒だったが、ベトナム戦争で戦死したばかりで、息子と最後に過ごしたこの場所で年を越すことを決めたのだ。「息子のカーティスがきっと寂しがる」という言葉は、メアリーの素直な心情の現れのように取れるが、そんな自分の事情をことさら強調する訳でもない。
息子だけでなく夫も早くに亡くし孤独の身になったメアリー。そのこらえきれない喪失感だけでなく、ユーモアや厳しさ、皮肉、そして温かさを兼ね備えるメアリーの多面的な人間像を、ランドルフはごく自然でありながら感情を揺さぶる演技で体現。
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ペイン監督は、『ルディ・レイ・ムーア』の演技を見たことがキャスティングの理由であると明かし、「メアリー役にぴったりだと感じました。ドラマチックな役にはコミカルな演技ができる俳優が似合います。彼女は安っぽく感情を表現せずに、映画を盛り上げるリズム感を持っているんです」とその魅力を分析。
ジアマッティも「ダヴァインと一緒に仕事をしたいと思っていました。彼女は強力で、驚くほど色彩豊かな才能の持ち主です。そして、メアリー役を実にニュアンス豊かで重層的な、素晴らしいキャラクターに作り上げてくれました」と高く評価する。
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ランドルフは、自身が演じるメアリーと教師ハナム、そして勉強はできるが反抗的な生徒アンガスという3人が織りなす物語について、「3人はそれぞれ集団に混じれない黒い羊なんです。私たちは知らず知らずのうちにお互いを必要とし、お互いから何かを得ることができる、とても珍しい形の家族になっていきます」と説明する。
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それぞれに孤独を抱え、他者に簡単に心を開くことができないメアリーとハナム、そしてアンガス。雪に閉ざされた学校に“留まる者たち”メアリーとハナム、そしてアンガスの3人の関係はどのように変化していくのか注目してほしい。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は6月21日(金)よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開。