経験や知識があるからこその“総監督”
――今回、総監督という立場で映画をつくられていかがでしたか?
村瀬:“総監督”という名前をつけていただきましたが、僕自身はそんなに重い立場にいるという感覚ではないです。ただいろんな経験や知識があるので、それをうまく活かして映画ができればという思いで、それをみなさんが「総監督」と呼んでくださるなら、それでいいかなという気持ちです。
――映画の中でゴランザという名の怪獣が登場しますが、デザインされたのは、村瀬さんとも様々な作品でご一緒し、長年「仮面ライダー」シリーズの美術デザイン全般を担当されてきたことでも知られる高橋章さん(2023年逝去)ですね。ゴランザはどのように誕生したのでしょうか?
村瀬:あれはね、香港から帰ってから高橋さんに「プロットの挿絵を描いてほしい」とお願いして、描いてもらったのが元になっています。彼の遺作になったけれど、良いものを描いてもらったなと思います。

――これから映画の世界、特に特殊造形を志す人たちに向けて、アドバイスやメッセージがあればお願いします。
村瀬:若い人たちがもっともっと伸びていって、腕を上げて、造形界を盛り上げていってくださったらいいなと思っています。
――最後に、村瀬さんのお気に入りの怪獣を教えていただけますか? これまでご自分で手掛けた怪獣でも、それ以外のもの、海外のものでも何でも構いません。
村瀬:僕は自分の仕事にずっと追われてきたので、海外の怪獣映画って『キングコング』くらいしか知らないんですね。自分で造った怪獣では、一番はやはりバランですね。私がこの造形の世界でやっていくことになったきっかけとも言える大事な怪獣ですからね。