悪名高き魔女アガサ・ハークネスが失われた魔力を取り戻すため魔女団を結成し、魔女の道を突き進む「アガサ・オール・アロング」。その第4話「届けこの歌 遥かなるあなたに」が配信され、“緑の魔女”が登場! 演じるオーブリー・プラザのヤバそうなカリスマぶりも相まって、魔女団の関係性に変化を起こしている。
もはやマーベルのドラマというよりも、個性豊かな女優たちが織りなす魔女たちの人間ドラマとして楽しんでいる。
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前回、最初の試練で家のドアに描かれていたのは満月、水の象徴。水をベースに魔法薬を精製した“ジェン”ことジェニファー・ケール(サシーア・ザメイタ)のおかげで毒ワインを解毒でき、何とか試練の家を脱出できた魔女たち。30分の制限時間を過ぎれば海水に溺れてしまうことになっただけに、“水”の魔力が鍵となった。
だが、“ハート夫人”ことシャロンがこの試練で亡くなってしまう。魔女でもないのに頭数合わせのためだけに連れてこられた、不憫なシャロン。
今回の家は、そんなシャロンを演じた大ベテラン、デブラ・ジョー・ラップが出演していたシットコム「ザット ’70sショー」を意識したのか否か、魔女団の1人アリス・ウー・ガリヴァー(アリ・アン)の母で、ロックシンガーの魔女として知られたローナ・ウーの全盛期を思わせる70年代のテイストに様変わり。
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その家のドアには三日月、“火”の象徴が施され、中に足を踏み入れたら70年代のディーバが大集合。まるで「どこかのバンドのアルバムジャケット」のようだ。
女優陣も見事に変身しており、アガサ(キャスリーン・ハーン)はヒッピー風で、アリスはジャニス・ジョブリンに似た感じ? 占いの魔女リリア・コルデルー(パティ・ルポーン)はまさにライザ・ミネリ。ティーン=少年(ジョー・ロック)も当時の長髪に様変わりした。
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今回、魔女たちがセッションしたローナ・ウーが娘アリスに捧げた「魔女の道のバラッド(カバーバーション)」は確かに“娘に届け”という愛のアレンジが利いていた。このバージョンも聴き応えがあるもので、英語・日本語とも聴いてみたが、日本語吹替え声優陣も楽しいセッションになったのではないだろうか。
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さて、呪いを燃やし尽くした後、少年のケガに気づいた一同。シャロンといい、もしかしたら試練を乗り越えるためにはその都度、犠牲者がつきものなのかも…?
前回試練を乗り越えたジェンには力が戻った様子だが、少年のこととなるとアガサが別人のように心配症になり、優しさを見せるのが印象的だ。正体を隠す呪文「シジルをかけた?」と不安げな少年に、「名無しでも人柄は伝わる」と励ます。
そんなとき「彼は息子じゃない」とバッサリ言い捨てるのが緑の魔女/リオ・ヴィダルだ。
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リオはどうやら死体を求めているよう。彼女が降臨するために、シャロンは利用されたのかもしれない。アガサの息子と禁断の魔法書ダークホールドを引き換える役目をリオが担ったかのように匂わす発言もあった。
何より、明らかにアガサとただならぬ関係である。ジェンも思わず電話番号が知りたくなってしまう魅惑的で、危険なリオ。がぜん今後の旅路が楽しみになってきた。
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残るは土と風の試練だろう。『オズの魔法使』のように、巨大な竜巻にでも乗ってどこかへ連れて行くのだろうか。思えば、アリスは臆病なライオンのようにも見えるし、ハートのないブリキはドライなところがあるジェニか? ならば、知性がほしいカカシはリリアなのか。
母娘の愛が鍵になった火の家でリリアが扮したライザ・ミネリは、『オズの魔法使』でドロシーを演じたジュディ・ガーランドの娘だ。「魔女って損。世間には誤解やデマがあふれている」と何度もこぼすリリアは、特異な女性への偏見や差別、迫害を嫌というほど見聞きし、自身も体験してきたことだろう。
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私たちも彼女たちをどこか歪んだ眼差しで見てはないだろうか。アガサは常に欺き続ける、とか…。
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