個性的なキャラクターの役作り
――個性的なキャラクターも魅力の一つかと思いますが、三次元化するにあたってどのような工夫を行いましたか?
山崎:それでいうと、澤田石和寛さんが一から衣装を作って下さったことが本当に大きいです。有り物の衣装ではなく、忍っぽいシルエットと機能性を両立したものを用意して下さいました。僕だけでなく、浜辺美波さんたちのも含めて全てです。原作好きとしては、「あの装束が現実のものになった!」という感動がありました。
九郎を演じるうえでは、忍者は謎めいた存在ですから「何を考えているんだろう?」とわからないような雰囲気を出せるように意識はしていました。
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岡山:白い宇宙服のようなスーツ「摩利支天」においては何度も衣装合わせをして調整を繰り返しました。3次元に立ち上げる際、どういう解釈で作るのかここまで丁寧に時間をかけて話し合い、具現化していく現場はなかなかありません。福田組や澤田石さんならではだと感じました。
猿田でいうと、漫画の中では結構笑っている印象があったため、演じるときも引っ張ってこられたらと思っていました。かつ、加藤のように強いキャラクターではなく劣等生だけど摩利支天の力で戦闘力を底上げしているという設定があったため、強くなさそうだけれど戦闘が始まったら互角以上に戦えるといったギャップがあったら面白いのではないかと考えました。原作の印象と自分の解釈をミックスした形です。
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間宮:原作がある作品は、内面をいくら準備しても外見が全く違っていたら原作ファンには「あのキャラだ!」と思えないものだと思います。ビジュアル面の肉付けがどんどんできていけば、自ずとその中に入っていける感覚がありました。そのうえで声色や表情を最終的に自分たちが調整して、完成する印象です。
自分でいうと、帽子を取って「10点」というところは原作漫画のコマに極力近づけられるようにしました。「もうちょっと眉毛が見えるか見えないかの位置で…」といったように微調整を行いました。
――映画の九郎は足技も特徴的ですが、どのような練習を行って習得されたのでしょう。
山崎:指の間をグッと広げる練習や、お風呂などでなるべくほぐして臨みました。ただ元々、足の親指と人差し指でものを掴むことをよくやっていたので、得意だったんです。
間宮:そうなの? はまり役だね。
山崎:まさかここで活きるとは…。
岡山:花沢先生が賢人を参考にして描いたんじゃない? 俺みたいに(笑)。
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※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」