『キングダム 大将軍の帰還』の大沢たかおが、第48回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。長いキャリアを誇る大沢、本受賞が初の最優秀賞受賞となった。
助演男優賞には、大沢のほか、内野聖陽 (『八犬伝』)、岡田将生(『ラストマイル』)、佐藤二朗(『あんのこと』)、山田孝之(『正体』)と実力派俳優がそろい、誰が受賞しても初の最優秀賞受賞という快挙が待っていた。
大沢は、漫画「キングダム」シリーズの初期の人気キャラクターである大将軍・王騎役となった。鍛え上げられた巨体に余裕を感じさせる笑み、独特の癖のある話し方などが特徴的な人間離れしたキャラクターを、熟練の演技力に加え、およそ20キロ体重を増やすなど、自らの肉体でも体現。シリーズを通して献身的な役作りで、山崎賢人演じる信に将軍の生きざまと戦い方を身を持って示す王騎をこの上なく魅力的に演じ、作品に貢献した。
優秀賞のインタビューで、撮影時の苦労を聞かれた大沢は「苦労は楽しいといえば楽しいのですが、山崎くんがすごい高いレベルのアクションをやるので、我々はその上をいかないといけないプレッシャーで、アクションシーンを作らせてもらいました。スタッフみんなが執念を持っていた現場で、感謝しかないです」と穏やかに微笑む。
その姿を見守っていた山崎は、「7年間ご一緒させていただいて、圧倒的な王騎将軍のキャラクターのオーラ、力強さを大沢さんが演じてくださった。『キングダム』全体のレベルが何段階も上がったと思います」と大沢を讃えた。大沢は「僕は彼はじめスタッフについていくのが精いっぱいで。感謝しかないです」と恐縮していた。
最優秀賞で大沢の名前がプレゼンター・磯村勇斗のから読み上げられると、大沢の隣に座る山崎が、とにかくうれしそうに拍手を送った。壇上に送った大沢は、スピーチで「ありがとうございます。もちろん何も考えていないんですけど、言葉は。本当にいただけてうれしく思います。助演という立場は、やっぱり主演をどう盛り上げるかをずっと7年間考え続けていて、でも気づけば主演の山崎くんはじめ、スタッフに助けられながらずっと演じさせていただきました。今日いただいた賞は僕というより、支えてくれたスタッフ、キャスト、たくさんの方に劇場に足を運んでいただいて、改めて本当にありがとうございました」と一気に話し、深々と一礼していた。
※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」