ウェス・アンダーソン監督の最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』よりオフショットが公開された。
本作は、ベニチオ・デル・トロ演じる大富豪ザ・ザ・コルダが娘のリーズル（ミア・スレアプレトン）を後継者に任命し、様々な事件に巻き込まれるクライム・ファミリー・コメディ。
この度到着したのは、ベニチオ・デル・トロ、マイケル・セラ、ウェス・アンダーソン監督の泥だらけなオフショット。
「フェニキア計画」実現のため、疎遠だった娘のリーズルと、家庭教師のビョルン（マイケル・セラ）とともに資金集めの旅に繰り出したベニチオ・デル・トロ演じる大富豪、ザ・ザ・コルダ。
幾度も暗殺から生き延びたザ・ザ・コルダだが、旅の途中にも何度か命の危機に見舞われる。なかでも衝撃的なのは、底なし沼による危機だ。
戦闘機の襲撃によってザ・ザ一行が墜落した先はジャングルの奥。プライベートジェットは半壊、野営を余儀なくされるなか、追いうちをかけるようにビョルンにまつわる“とあるトラブル”が発生する。気持ちを落ち着けようと墜落現場から離れたザ・ザは、あやまって底なし沼に落ちてしまうのだ。
死の危機に直面しながらも、天邪鬼に「助けるな！」と叫ぶザ・ザ。そんなザ・ザを、ビョルンは危険を顧みず、自ら底なし沼に飛び込み助けようとする。
この度到着したオフショットはそんな底なし沼シーンのもの。なんとこのシーン、CGやVFXは使用せず、ベニチオ・デル・トロとマイケル・セラが実際に底なし沼のなかに飛び込んで撮影されたのだというから驚きだ。
栄えある賞の数々を受賞してきたベニチオ・デル・トロが、頭の先からつま先まで、まさかの泥だらけに！ 顔にもべったり泥が付着した衝撃的な姿になっている。
マイケル・セラも同じく泥だらけで、ウェス・アンダーソン監督の素敵なグリーンのセットアップと泥だらけの2人の対比が笑いを誘う1枚となっている。
ザ・ザは底なし沼に気付かず、地面だと思って足を踏み出してしまうのだが、ベニチオ・デル・トロ自身も「本当に固そうに見えた」と話す。「なのに、気がついたら首まで沈んでたんだ」。ザ・ザはなんとか助かろうともがくが、そのせいでどんどん沈み、最後には全身すっかり沼のなかに。その瞬間も、実際にベニチオ・デル・トロが底なし沼に沈んでいるのだ。「一度完全に沈むと、本当に方向感覚がなくなるんだ。内部はすごく暗かったからね。それで、マイケルが飛び込むんだ。まるでターザン映画みたいに。あれは最高だったよ」と語る。
マイケル・セラはこのシーンについて、「あんな体験、人生でそうそうできるものじゃないですから。台本を読んで“底なし沼に飛び込む”と書いてあるのを見たときは、信じられませんでした。泥をかぶらなきゃいけないし、なかなか大変な撮影だったけど、2人でやると一体感が生まれます。本当に素晴らしい経験でした」と、最も撮影が楽しかったシーンに挙げた。
本シーンは、本作のなかで唯一ワンテイクでOKが出たシーンだという。前日から緻密なリハーサルを重ね、ワンテイクにすべてをかけて撮影された体当たりシーン。ちなみにこのあと5シーンほど、ザ・ザとビョルンは泥だらけの状態で本編が進んでいく。その後のシュールな展開にも思わず期待が高まるオフショットとなっている。
『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は、9月19日（金）よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。
