韓国ホラー映画『層間騒音』の本編冒頭シーンが公開された。
“層間騒音”とは、集合住宅で上下階から聞こえてくる生活音を指す韓国の言葉。本作は、原因不明の騒音が鳴り響く、古い団地を舞台をした物語。
今回公開された約3分に及ぶ本編冒頭シーン。紙を裂くような異音が聞こえ、女性の顔面がアップになり、ガタガタと天井をいじりながら、荒い息音を吐いている姿が確認できる。どうやら、防音シートを天井に付けている模様。さらに、部屋内を撮影していくのだが、ガラス窓を映した瞬間、得体のしれない怖音が轟く。
そして、「エリーゼのために」のインターホンが鳴り、受話器を取ると、子どもの泣き声の様な騒音が。また、TV画面が乱れて砂嵐が流れたり、一瞬停電になったり。ラストは、悍ましい効果音の音量が大きくなりながら、映像がフェードアウトしていく。
この映像に登場する女性はジュヒ。この出来事のあとに行方をくらましてしまう。そんな謎に満ちた失踪事件を、ジュヒの姉で聴覚障がいのあるソ・ジュヨンが、手がかりを探っていく。

本作の監督キム・スジンは、「どこかから聞こえてくる未知の音が、心霊的な恐怖と人害的な恐怖の2つを繋ぐ重要な媒介手段になると思いました。騒音が社会的な問題となっているので、シナリオを書きながらも数多くの事件をニュースで見ました。ひどい騒音問題のある団地で起きる話が出発点でした。多くの韓国人がそうであるように、私も子どもの頃からマンション暮らしだったため、個人的な経験が多く反映されました。アパートや集合住宅などでは匿名性がとても高くなります。多くの人が密集して暮らしているにもかかわらず、お互いがお互いをよく知らずにいます。私がどこに誰が住んでいるかよく知らなくても、誰かは私のことを知っているかもしれません。そこから生まれる緊張感は大きいと感じました。この緊張感を映画全体に盛り込もうとしたのですが、たとえば劇中に出てくる差出人不明の匿名のメモなどです」と製作について明かしている。

『層間騒音』は10月10日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。

