新海誠ワールドの“原点”といえるアニメーション映画を実写映画化した『秒速5センチメートル』が、その映像美や原作へのリスペクトなどが注目を集め10月19日までの10日間で興行収入10億円を突破、「映画館で観るべき作品」と好評だ。
本作の種子島を舞台にした高校生時代パートで、森七菜演じる同級生・澄田花苗から真っ直ぐな想いを寄せられているのに、いつもここではないどこか遠くに心がある遠野貴樹を演じているのが、青木柚(あおき・ゆず)だ。
すぐ間近で溌剌と、瞬間瞬間を大切に生きている花笛とは対照的に、無心になれる弓道に打ち込み、自分が大切に抱えてきた時間の中だけに生きている貴樹を、青木は繊細に演じている。その寂しさを静かに訴えかける物憂げな眼差しが印象的だ。
種子島での撮影を「忘れられない夏でした」とふり返る青木は、「種子島で“遠野くん”と呼ばれる全ての瞬間が、松村(北斗)さんと上田(悠斗)さんの東京での日々に結びつくことを願いながら撮影しました」とコメントしている。

大人になった遠野貴樹を演じる松村北斗は、共演シーンはなかったもののNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK ONE・NHKオンデマンド配信中)では“祖父”、雉真稔役。同作で青木は、姉・大月ひなた(川栄李奈)の親友・藤井小夜子(新川優愛)を一途に想い続けた、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)の息子の高校球児・桃太郎役を好演した。
映画『14の夜』『アイスと雨音』『うみべの女の子』などで確かな演技力を見せてきた青木は2021年、安藤サクラ、門脇麦、岸井ゆきの、岡山天音、井之脇海、寛一郎といった演技派を多数抱える事務所・ユニマテに、劇団ひまわりから移籍。

ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」の浜岡役でも強い印象を残し、「往生際の意味を知れ!」「きれいのくに」や『不死身ラヴァーズ』では次期朝ドラヒロイン・見上愛と共演。“尊敬する同い年の二人”という見上、河合優実と「ボクらの時代」にも出演した。
NHKのドラマといえば、松任谷由実の名曲からインスピレーションを得た夜ドラ「ユーミンストーリーズ」(NHK ONE・NHKオンデマンド配信中)の第1話「青春のリグレット」で、現在話題沸騰中のTBS火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の夏帆とも共演済み。“青春のリグレット”を抱える夏帆演じる主人公が偶然出会う、金髪の若者・ヒカルを演じていた。
「(再共演の)夏帆さんが先導してくれてるので、自分としては助かってる部分がある」とPR動画でも話しているが、今回「じゃあ、あんたが作ってみろよ」で演じるのは、キャリア初期から知る映画ファンや「カムカム」の“桃”として出会った方には衝撃的ともいえる沼男!? 『秒速5センチメートル』貴樹とのギャップもすさまじい。
化石男・海老原勝男(竹内涼真)に合わせるため、自分の好きなもの・自分らしさが分からなくなってしまった山岸鮎美(夏帆)に、新しい世界を教え距離を縮めていく酒屋の青年・ミナトは、鮎美に「可愛い」とストレートに気持ちを伝え、“好きなものをそのときのフィーリングで選ぶほうが楽しい”と天真爛漫にいまを楽しんでいる。
第4話で鮎美はミナトとの仲を順調に深めていき、ついに同棲することになるも、どうやら女性とすぐに付き合ってはすぐに別れる“大量消費型恋愛体質”との指摘が彼の元カノたちからあり…。
鮎美の相手としてはかなり心配要素もあるミナトは、鮎美にとって新たな価値観の学びとなるのだろうか、これからますます目が離せない。
■「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第4話(10月28日放送)あらすじ
鮎美(夏帆)から「すごく好きな彼氏ができた」と伝えられた直後、太平(楽駆)のバーでミナト(青木柚)を目撃した勝男(竹内涼真)。太平と渚(サーヤ)がミナトを“女たらし”と言っていたのが気になった勝男が、居合わせたミナトの元カノたちに話を聞くと、ミナトは女性とすぐに付き合うがすぐに別れる“大量消費型恋愛体質”のよう。
そんなこととは露知らず、ミナトとの仲を順調に深めていく鮎美。そしてついに同棲に漕ぎ着ける。ミナトのために料理を作って家で待つのだが、ミナトへの違和感と不安が徐々に募っていく中、ミナトのある場面を目撃してしまう…。
☆青木柚
2001年2月4日生まれ、神奈川県出身。
主な出演作:映画『14の夜』『アイスと雨音』『コーヒーが冷めないうちに』『うみべの女の子』『MINAMATA-ミナマタ-』『よだかの片想い』『はだかのゆめ』『まなみ100%』『不死身ラヴァーズ』『愛に乱暴』『港に灯がともる』『天使の集まる島』など
ドラマ:「連続ドラマW 名刺ゲーム」「きれいのくに」「プロミス・シンデレラ」「往生際の意味を知れ!」「すべて忘れてしまうから」「モアザンワーズ/More Than Words」「Re:リベンジ-欲望の果てに-」「笑うマトリョーシカ」「風のふく島」など



