杉咲花主演『ミーツ・ザ・ワールド』に菅田将暉が声のみの出演をしていることが明らかとなった。
芥川賞作家・金原ひとみが歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を映画化した本作。
菅田が演じたのは、希死念慮を抱えたキャバ嬢・ライ(南琴奈)のかつての恋人である鵠沼藤治。自分に新たな世界を見せてくれたライにこれからも生き続けてほしいと強く願う由嘉里(杉咲花)が、ライが今でも想いを寄せる藤治に望みをかけて実家を訪ねるも不在。家族から話を聞いた彼が由嘉里のケータイに電話をかけてきたのだ。
2人は約6分にわたって電話で話をし、由嘉里はライへの思いや生きることへの渇望を藤治にぶつけ、藤治は自分の思うライについて語る。
菅田が松居大悟監督とタッグを組んだのは、山内泰延による学園ギャグ漫画を松居監督が実写化し、菅田が主演した『男子高校生の日常』以来12年振り。松居監督がとある打ち合わせのために菅田の所属事務所「TopCoat」を訪れた際に、そこにたまたまいた菅田と久しぶりに再会したことが大きなきっかけとなったよう。
松居監督は、「哀愁を漂わせながら酸いも甘いも呑み込んで第一線で闘っている"ギリギリで生きている感"が藤治と重なったんです。その上で、由嘉里が胸に抱えていた想いをぶつける相手ながら、電話のみでやり取りする役どころになるので、圧倒的に芝居が上手い人にお願いしたいと思い、菅田くんに"現代の生きづらさを代弁してもらえないか"とオファーしました」と、オファーの理由を語る。
菅田は声のみの出演となったが、事前に松居監督と何度か電話ですり合わせをした上で撮影現場に足を運び、実際に電話から聞こえてくる由嘉里の言葉を聞きながらの収録となった。さらに、藤治としての衣装も用意され、それを着用して撮影に挑んだ。
菅田は、今回の出演を振り返り、「杉咲さんの声を聞いた瞬間に、これまでの由嘉里の日々がものすごいエネルギーで入ってきたのを覚えています。松居監督たちと作り上げてきた時間が流れ込んできた気がして、震えました。ほんとにその1秒で、素敵な現場なんだなと感じました。瑞々しく脂っこい登場人物たち、吐き出すように貪る焼肉。ずっとよくわからない自分。香ばしい思い出も愛しく感じてくる映画だと思います。参加できて幸せです」とコメントを寄せた。
『ミーツ・ザ・ワールド』は全国にて公開中。



