菅田将暉が主演を務める「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の8話が11月19日に放送。久部とトロの鬼気迫る演技に「素晴らしい芝居合戦」「最高でした」など感動の声が上がっている。

三谷幸喜が脚本を務める本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇。主人公の演出家の卵・久部三成を菅田将暉、WS劇場のダンサー・倖田リカを二階堂ふみ、新人の放送作家・蓬莱省吾を神木隆之介、巫女の江頭樹里を浜辺美波、無料案内所のおばばを菊地凛子、WS劇場のダンサーで姉御肌のパトラ鈴木をアンミカ、ダンサーでシングルマザーの毛脛モネを秋元才加、交番勤務の警察官・大瀬六郎を戸塚純貴、WS劇場の用心棒・トニー安藤を市原隼人、劇団「天上天下」の主宰者・黒崎を小澤雄太、天上天下の制作スタッフ・トンちゃんを富田望生、WS劇場の支配人・浅野大門を野添義弘、ジャズ喫茶のマスター・風呂須太郎を小林薫、劇場スタッフの伴工作を野間口徹、シェイクスピア俳優・是尾礼三郎を浅野和之、うる爺を井上順、芸人の王子はるおを大水洋介、相方の彗星フォルモンを西村瑞樹、リカの元情夫・トロを生田斗真が演じている。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
WS劇場では、演出家・久部三成(菅田将暉)によるシェイクスピア劇「冬物語」が上演されている。芝居を見ながら必死にメモを取っているのは八分神社の巫女・江頭樹里(浜辺美波)。隣に座っている神主の父・論平(坂東彌十郎)から「芝居に集中出来ねえだろ」と突っ込まれるが、「カット出来るところをチェックしているの」と聞く耳を持たない。
久部に惹かれ始めている樹里は久部のためなら何でもやる覚悟。既に台本はかなりブラッシュアップされており、客席に座るおばば(菊地凛子)は「私の出番も全カット」と嫌み節を言う。

是尾礼三郎(浅野和之)とケントちゃん(松田慎也)が舞台上で芝居していると、突如、客席から「下手くそ!」とヤジが飛んできた。客席で叫んでいるのはリカ(二階堂ふみ)の元情夫・トロ(生田斗真)で――というのが8話の展開。
観客の入りは伸びず、1回あたり15名がいいところ。オーナーからは上演時間が長いと言われ、90分の上演時間を45分にまで短縮するようにと言われてしまう。オーナーは、蓬莱(神木隆之介)を残し、ロミジュリなどの作品には目を向けず、是尾を中心に舞台を考える久部をクビにしようと言い始める。それを聞いた支配人(野添義弘)と蓬莱は、もう少し久部に任せてほしいと懇願するのだった。

交番勤務の警察官・大瀬六郎(戸塚純貴)が見せた演技に一同は驚きを隠せない。素晴らしい演技に毛脛モネ(秋元才加)も感謝の気持ちを表す。まさかのスター誕生にSNSでは「舞台に立つ戸塚純貴くん、きっぱりとした立ち姿がかっこいい!まさに、スター誕生の瞬間。思わぬ展開でわくわくした」や「スター、大瀬くんの誕生で客席の空気が一変!一瞬で惹きつけられるってこういうことだ」、「華々しすぎる!エコーかかってる!発声良すぎる!スター誕生!警官は辞めたのか?」などの声が。

その後、トロにヤジを飛ばされた是尾を元気付けるため、久部は彼に演技についての講演をお願いすることに。しかし、トロがリカの元情夫だと知った久部は集中できない。二人が一緒に出かけたと知った久部は、二人がいると思われる喫茶店テンペストへ。トロは自分の命を守るため、リカを自分の店で働くように説得していた。久部は二人の会話を立ち聞きし、必死にリカが他の店に行くのを止めようとする。
リカがテンペストを去った後、久部はこっそり残っていたトロに、「僕は彼女を愛している」「僕は全ての役者を愛している。そういう意味です」と宣言。トロには120万円が必要で、リカをソープで働かせようとしているとわかった久部はそれを止めようとするが、ナイフで脅されてしまう。代わりに120万円払えばリカは返すと言われるが、久部は何も言い返せず、そのまま帰ってきた自分を情けなく思って落ち込むのだった。

一方リカは、高い花を贈って自分を応援してくれている論平に120万円を払ってほしいとお願いする。論平が家宝を渡そうとしていることを知った樹里は、久部にこのことを報告。「久部さんもかっこいいところを見せてください」と発破をかけるのだった。
モネの息子・朝雄(佐藤大空)のおもちゃの拳銃を本物だと思い込んだ久部は、それを持ってトロのところへ。再びナイフで脅そうとするトロに対し、久部は銃を見せ「リカさんを渡すわけにはいかない」「お前に渡すものは何もない」と言う。久部がトロと対峙する中、後から来た蓬莱がこっそり銃はおもちゃだと告げる。それを聞いた久部は動揺するが、迫真の演技でトロを追い出すのだった。

久部とトロの迫真のやり取りに「クベvsトロのあの迫力。もちろん初対面の俳優同士だってそんなの関係なくて即座に息を合わせていくのがプロだとも思うんだけど、でもやっぱりロズギルでの共演という信頼関係あってこそだとも思うんだよな。素晴らしい芝居合戦だった」や「クベさんの「信じれば見える」。りきみきって、血走って潤んだ目。そして「…おもちゃでした」が良かったよー。でもそれに勝っちゃってるように見えたトロさんの存在感の強さ」、「その後おもちゃだと判明して画面に映るのもおもちゃに変わったけど、久部が自分の心を信じてピストルを向けて迫って行ったから、トロ(観客)にも本物に見えたのかな。テレビのドラマだからこそできる見せ方、久部とトロの息遣い、空気感、ほんっと最高でしたわ」などの声が上がっている。
【第9話あらすじ】
深夜のWS劇場。演出家の久部三成(菅田将暉)は、思いを寄せる倖田リカ(二階堂ふみ)と2人きりでいる。リカを守るためにリカの元情夫・トロ(生田斗真)を追い出した久部の勇敢な一面を見て、リカも少しずつ久部に惹かれ始めていた。親密な雰囲気が漂う中、久部は、劇場が軌道に乗ったら「ハムレット」を上演するつもりだと語る。
ハムレットは久部自身が演じ、その恋人・オフィーリアはリカに演じてほしいと言う。「演出家の先生に任せるわ」とリカは久部の思いに応じる。「これからも私たちを引っ張っていって」とリカは久部にささやく。そして2人は手をつなぐと飲み屋へと向かうのだった。
その頃、八分神社の居間では巫女の江頭樹里(浜辺美波)が物思いにふけっていた。久部とリカの関係が気になってしょうがないのだ。そんな娘の気持ちを悟った父の論平(坂東彌十郎)は、「あの二人に恋愛関係はないような気がするなあ」とつぶやきながらとすごすごと去って行く。しかし、樹里はどうしても不安を打ち消せず――。
「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は毎週水曜22時~フジテレビ系にて放送中。

