深田晃司監督の最新作、映画『恋愛裁判』のメイキング写真が公開された。
本作は「元アイドルの女性に賠償命令」が言い渡された実際の裁判に着想を得ており、深田監督自ら企画・脚本(共同)も手掛けた約10年にわたる構想を費やした意欲作。日本独自のアイドル文化とその暗黙のルールに鋭く切り込む。
齊藤京子演じるアイドル・山岡真衣が、恋愛禁止ルールを破ったことで裁判にかけられる物語を通じて、煌びやかなアイドル業界の裏側に潜む孤独や犠牲、そして個人が自己を取り戻すための闘いを、痛切なリアリティと繊細な人間描写で描き出す。

本作の企画にあたって、様々なグループのライブに足を運び、現役・元アイドルや、アイドル業界で働く人々への取材を行ったという深田監督。今回公開されたメイキング写真には、齊藤と真衣の役柄やアイドルとしてのディテールについて、会話を重ねる様子が収められている。齊藤がお気に入りのシーンだというレッスン場での場面は、アイドルとしての真衣とは全く別の顔をみせるため、化粧をほとんどしないなど、細部からこだわりを見せている。

真衣が恋に落ちる相手、パントマイムアーティスト・間山敬を演じた倉悠貴は、長期間にわたり大道芸の練習に取り組み、撮影現場でも専門家の指導を受けながら役作りを進めたという。主にジャグリングとパントマイムを中心に練習した上達ぶりはとても早く、専門家も驚くほどだったそう。一方、監督が脚本段階から前半とは大きくムードが変わるだろうと構想していた裁判中のシーンでは、張り詰めた緊張感をまとった表情を見せている。


劇中アイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」(通称:「ハピ☆ファン」)のメンバーは、ライブ場面のためのレッスンや振り入れも行い、アイドルとしてリアリティを追求。メイキングには、ダンスレッスンやステージ裏で待機する様子など自然な一面が収められている。そんなメンバーでの撮影について齊藤は、「映画の撮影か、ハッピー☆ファンファーレというグループでのアイドル活動か、境目がわからなくなるくらい楽しく、他のメンバーが先にクランクアップをするときは、まるで彼女たちが先に卒業してしまうように感じて大泣きした」と語っている。

さらに、チーフマネージャー役・唐田えりかのクランクアップをメンバーが見守る様子、現場で深田監督と熱心に意見を交わす津田健次郎の姿も見受けられる。


そして、今作が初主演映画となった齊藤は、約1か月半にわたる撮影が全て終了し、花束を受け取ると、涙ながらに本作への熱い思いを語った。そんなクランクアップの瞬間も刻まれている。
『恋愛裁判』は2026年1月23日(金)より全国東宝系にて公開。

