名優ステラン・スカルスガルドを映画監督の父親役に迎え、『わたしは最悪。』のヨアキム・トリアー監督が親子というしがらみを描いた『センチメンタル・バリュー』。本作で俳優の娘役を演じ、第83回ゴールデン・グローブ賞にて主演女優賞(ドラマ部門)に初ノミネートされたたレナーテ・レインスヴェに迫った。
2025年、第78回カンヌ国際映画祭で本映画祭最長19分間に及ぶ圧巻のスタンディングオベーションで会場を沸かせ、最大の熱狂を巻き起こしてグランプリを受賞した本作。
本年度第98回アカデミー賞ノルウェー代表作品に選出され、国際長編映画賞、キャスティング賞、撮影賞のショートリストに選出されている。
日本時間1月12日(祝・月)に発表される第83回ゴールデン・グローブ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、非英語作品賞のほか、主演女優賞(レナーテ・レインスヴェ)、助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)、助演女優賞(インガ・イブスドッテル・リッレオースとエル・ファニング)Wノミネートと、メインキャスト全員がノミネートされ『ワン・バトル・アフター・アナザー』に次ぐ主要部門7部門、計8ノミネートを果たし、賞レースのフロントランナーとの呼び声も高い。

ゴールデン・グローブ賞主演女優賞に初ノミネートされたことで、さらに注目を浴びるレナーテ・レインスヴェは、日本でも大ヒットした『わたしは最悪。』に引き続き、2作連続でトリアー監督作で主演をつとめる。
カンヌ女優賞を受賞するなど『わたしは最悪。』でキャリアにおいて一躍注目を浴びたレナーテ・レインスヴェだが、それまでの道のりは簡単なものではなかった。
2011年に、同監督のオスロ3部作のうちのひとつ『オスロ、8月31日』(2011年)に出演してから、脚光を浴びるまでは10年の月日がかかっており、『わたしは最悪。』のオファーが来る前日に、俳優を辞めようと考えていたことを明かしている。

『わたしは最悪。』で大成功を収めたのち、監督はレナーテ・レインスヴェを主演に置くことを念頭に、彼女のために役を書き下そうと決めた。
その出発点となったのが「姉妹」というテーマだったという。「同じ家庭で育っても、兄弟姉妹がまったく異なる個性を持つという事実に、いつも驚かされます」と監督。
そう語るように、レナーテ・レインスヴェ演じるノーラと、インガ・イブスドッテル・リッレオース演じる妹のアグネスは、同じ家庭環境で育ち、幼い頃に父(ステラン・スカルスガルド)が出ていくという、幼少期にトラウマとなるような寂しさを経験したのにも関わらず、それぞれ異なる人生を歩み、他人との付き合い方もまるで異なる。
そんな姉妹が、それぞれの想いを抱えながらも人生を共に歩み、寄り添うシーンは多くの人の胸を打つ。

しかし、「この作品はまず姉妹の物語として始まりましたが、やがて親子、そして家族全体の物語へと広がっていったのです」と監督がさらに語るように、ノーラとアグネスの関係性だけではなく、そこから広がる映画監督の父・グスタヴや、ノーラの代役をつとめるアメリカ人人気スターのレイチェル(エル・ファニング)の4人の複雑な感情が交差していくことで、物語も深化していく。
あまりに不器用でこじれた父娘に共感し、たどり着く結末に世界が唸った家族ドラマの到達点は、2026年必見の注目作の1つとなっている。
『センチメンタル・バリュー』は2月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
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