主演・森七菜×監督・長久允の初タッグとなるオリジナル長編映画『炎上』から、使い捨てカメラで撮影されたビハインド写真9点が解禁。さらに、韓国ポン・ジュノ監督から長久監督や映画に対しての激賞コメントが到着した。
長久監督が「新宿歌舞伎町のニュースを見て、現場を取材し、彼女/彼らの物語を書くべきだと思ったことがきっかけ」と話し、撮影時には映画の舞台である新宿・歌舞伎町で実際にロケも敢行。
本作の主人公・小林樹理恵(通称:じゅじゅ)を演じた森は、「自分自身がどこにいるのか分からなくなる撮影期間でしたが、彼女たちの強さを守るために進んだ一ヶ月半でした。見てくれた方がこの物語をどんな風に捉えることになるのか想像がつきません。だけど私たちから何も奪えないことを、地獄には知って欲しい」と、語るほどに魂を込めて演じている。

この度到着したのは、新宿・歌舞伎町で本作の撮影に臨む森をはじめとしたキャストたちの姿。
使い捨てカメラで撮影された画像となっていて、フィルムならではの独特な質感と雰囲気は、まるで「じゅじゅ」たちが生きたリアルな日常を覗いているかのような感覚に。

カメラ片手にセルフィーを撮る森の姿や、撮影の合間にキャスト同士で談笑する様子、「じゅじゅ」と初めての親友になる三ツ葉役のアオイヤマダと森は、劇中の「じゅじゅ」と「三ツ葉」同様、2人の信頼関係が伝わる2ショットも。

本編の中でも、長久監督ならではの表現手法のひとつとして使い捨てカメラの画像が登場している。映像自体も画面比率が3:2の写真サイズになっており、長久監督はその狙いを「過去を振り返った樹理恵の心に焼き付いた写真のような映画にしたい、そして現実に対する夢という抽象的なコンセプトをルックに宿らせたかった」と明かしている。

『そうして私たちはプールに金魚を、』『WE ARE LITTLE ZOMBIES』などで、言語化できない子供たちの内なる憤りと力強さを描いてきた長久監督は、徹底したリサーチを重ねた上で、歌舞伎町に生きる若者の“強さ”を物語に落とし込んだ。その撮影には、実際の新宿・歌舞伎町でロケを行うことが必然だったという。

繁華街特有の喧騒やスピーカーから流れる音楽の濁流の中でのロケとなった歌舞伎町での撮影は、「俳優部が集中して演技するのも難しかっただろうし、録音の技術面でも後から様々な処理が必要で課題山積のハードな現場だった」と苦労を明かしているが、「そういう場所でそのような題材を撮っているのだから苦労は当たり前です。それを嫌がって実際の場所で撮らなかったとしたら、別物の作品になっていたはず」と確信していた。

まるで街そのものが映画の中の登場人物であるかのように、リアルな歌舞伎町の空気が感じられる本作は、『パラサイト 半地下の家族』で第72回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール、第92回アカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞した世界的映画監督、ポン・ジュノも魅了した。
「強烈と言わざるを得ない、議論を巻き起こさずにはいられない映画だと感じます」という激賞を長久監督へ贈るとともに、「僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。その場所が違って見えるはずです。表面的な姿とは異なる何かが見えてくるでしょう。そこに座っている子供たちも、そうです」といったコメントが到着している。

長久監督は「完成した作品には、面白おかしく報道されたり消費されたりする彼らの姿とは違った、本質的な何かが描かれています。『炎上』は、今作るべき理由がちゃんと定着した映画だと確信しています」と明かしており、森をはじめとした若手キャストたちが監督の想いを受け止め、魂を込めて新宿・歌舞伎町に生きる若者たちを演じた、彼らが役として生きたその瞬間を切り取った写真9点となっている。

ポン・ジュノ監督 コメント全文
アンソニー・ホプキンス主演の『ファーザー』という映画をご存じでしょうか。
あの映画は、認知症を追体験させる、1人称視点でアルツハイマーを体験させるという、そんな恐ろしさがありました。
今回の允さんの新作も、1人称視点を通して痛みを体験させる側面があります。恐ろしい苦痛の旅です。
しかし、その旅は非常に美しく、さらに鮮やかな映像で彩られているため、そこから生まれる強烈なコントラストが、いっそう恐ろしく胸を締めつけるように感じられる映画です。
強烈と言わざるを得ない、議論を巻き起こさずにはいられない映画だと感じます。
導入部のその恐ろしい父親による虐待の描写。
映画的な表現の限界を越えるかのような、あまりにも幼い姉妹の小さな背中に刻まれた傷を描くシーンからわかります。この映画がどれほど肉体的であるか、どれほど身体的な感覚に依存しているか。それをはっきり見せながら映画が始まるのです。
実際に存在するとても強力な肉体的な痛みを描き、それゆえに心にも深い痛みを避けられない映画。そんな痛みと苦しみについての1人称視点の映画だと思います。だからこそ、「その広場」を題材にした、そこにいる青少年を扱ったドキュメンタリーのようなものとは全く異なる、正反対の地点にあるスタイルとアプローチを持つ映画です。
そのような正反対のスタイル。
主観的で映画的で、さらには美しいとさえ言える映像を通して、むしろそこにいる子供たちの苦しみや危険な状況がより鮮明に浮かび上がる作品だと思います。
余韻が長く残らざるを得ない作品です。
僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。
その場所が違って見えるはずです。表面的な姿とは異なる何かが見えてくるでしょう。
そこに座っている子供たちも、そうです。
それが映画が持つ力だと思っています。
『炎上』は4月10日(金)より全国にて公開。


