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「まだ観ていない」はもったいない…鬼才パク・チャヌク監督の名作4選

2026年5月に開催される第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で、韓国人初の審査委員長として抜擢されたパク・チャヌク監督。復讐三部作『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』で彼の存在を知り、その独特な作風に惹かれた映画ファンも多いのではないだろうか。

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2026年5月に開催される第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で、韓国人初の審査委員長として抜擢されたパク・チャヌク監督。復讐三部作『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』で彼の存在を知り、その独特な作風に惹かれた映画ファンも多いのではないだろうか。

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3月6日からはイ・ビョンホン主演の『しあわせな選択』の日本での上映がスタートした。そこで今回は、新作が発表されるたびに話題となる韓国の巨匠パク・チャヌク監督の作品について紹介したいと思う。

①『しあわせな選択』(2026)

パク・チャヌクの出世作でもあり、イ・ビョンホンが映画俳優としての地位を築く契機となった『JSA』以来のタッグ。原作は、アメリカの作家ドナルド・E・ウェストレイクの小説『斧』。舞台を韓国に移し、「機械化」や「AIの発展」による失業など、現代的な要素を織り交ぜながら大胆な脚色が施されている。

物語は、順風満帆な生活を送っていたマンス(イ・ビョンホン)が、突如として会社を解雇されるところからスタート。妻のミリ(ソン・イェジン)と子どもたちを支えるため再就職を目指すも状況は好転せず、やがて常軌を逸した決断へと踏み込んでいく。「再就職をするためにライバルを排除していく」という過激な発想を軸に、狂気とユーモアが交錯するブラックコメディだ。

また、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォンら実力派俳優が集結し、より深みが増していくのも本作の見どころ。要所要所で流れる歌手・チョー・ヨンピルの『赤とんぼ』も映画に妙味を加えている。

今までの監督の作品に比べてコメディ色が強くなりつつも、独創的な着想と洗練された映像美は健在。そして作品がて進んでいくにつれ、原題の「어쩔수가없다(仕方ない)」という言葉が思わず口から出てしまいそうになった。最近の緊迫した世界情勢から波及しているさまざまな不安。今このタイミングで観たことで、自分がいつ同じような状況になっても何らおかしいことはないと感じさせるリアルさもあった。

韓国では今まで彼の作品と作風がかなり異なるうえに、著名な監督でそもそもの期待値がかなり高いということもあり「時間を浪費するための映画」「色んな要素を詰め込みすぎだ」「今までのパク・チャヌク作品の中で一番微妙だった」と酷評が目立っていた。

しかし日本では、「俳優陣の人間味溢れる演技がいい」「カメラワークが独特で面白かった」「自分と笑いのツボが合って、久々にはまった作品」「シリアスなのにコメディで笑いまくってしまった」など、高評価が目立っていた。実はパク・チャヌク監督作品初心者である筆者。激しい暴力描写があったらどうしよう…とやや怯えながら映画館へ観に行ったのだが、その心配は不要だった。風刺が効いたブラックコメディという感じで、どちらかといえばエンタメの度合いのほうが強い。そのため、初めて同監督作品を観る方におすすめだ。

②『復讐者に憐れみを』(2002)

のちに続いていく「復讐三部作」の1作目。聾唖の青年リュウ(シン・ハギュン)は、腎臓病の姉を救うために貯めた手術費を臓器密売業者に奪われ、やむなく富豪ドンジンの娘(ハン・ボベ)を誘拐する。しかし、その行動を知った姉は自責の念から命を絶ち、さらに誘拐した少女も死に至ってしまう。やがてドンジン(ソン・ガンホ)は復讐に燃え、リュウを追い詰めていく。人間の内面に潜む暴力性を容赦なく描き出し、パク・チャヌク監督の名を知らしめた一作でもある。

あまりにも過激かつストレートで暴力的な描写が多かったため、韓国国内での興行的には振るわなかった本作品。しかし『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』へと続く復讐劇の幕開け、そして韓国の階級社会の歪みや葛藤を鋭く映し出した作品として高く評価されている。

③『オールド・ボーイ』(2004)

衝撃的なバイオレンス描写と緻密な構成が光る復讐三部作の2作目。日本ではあまりヒットしなかった漫画『ルーズ戦記オールド・ボーイ』が原作となっている。第57回カンヌ国際映画祭で韓国映画として初めて審査員大賞を受賞した。ストーリーのあらすじは、平凡な会社員オ・デス(チェ・ミンシク)は突如拉致され、理由も知らされぬまま15年間監禁。解放後、若い女性ミド(カン・ヘジョン)とともに真相を追うが、謎の男ウジン(ユ・ジテ)から5日以内に理由を解き明かせと迫られるというもの。

近親相姦という設定が賛否を呼びつつも、人間の罪と復讐の連鎖を描く重厚な物語として多くの観客を魅了した。そして復讐劇の枠を超えて、真実に迫るほど崩壊する人間の内面を描いた作品でもあった。ちなみにミド役を演じた俳優カン・へジョンは現在、韓国を代表する3人組ヒップホップグループEPIK HIGHのメンバーTABLOの妻としても広く知られている。

④『親切なクムジャさん』(2005)

女性の視点から復讐を描いた異色の作品で、復讐三部作の3作目。クムジャ役を演じた主演のイ・ヨンエはこの作品で、『宮廷女官チャングムの誓い』で築いてきた清純なイメージを覆し、冷酷な復讐者へと変貌。幼児誘拐事件で無実の罪で13年間服役したクムジャは、刑務所内では慈愛に満ちた存在として「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。しかし出所後は、自らを陥れた男への復讐を遂行する。

仲間や被害者遺族を巻き込みながら展開する、残酷さとカタルシスを併せ持った復讐劇。また、作品内ではクムジャが微笑みながら「早く死んでね」といったセリフを吐き捨てるシーンがあるなど、イ・ヨンエはこれまでの清純派とは真反対の役をこなし、俳優としての新境地を切り開いた。

(文=豊田 祥子)

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