バットマンやスーパーマンの映画に熱狂してるのは、実は男子だけじゃないのです! シネマカフェでは、男子にも負けない「バットマン・スーパーマン女子」を直撃! アメコミとの出会いのきっかけから、女子ならでは目線で『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』への期待を語っていただきました。
美人すぎる翻訳家・御代しおりの
アメコミ映画のススメ
アメコミ翻訳家御代しおりさん
「スーパーマン:アクションコミックスVol.1」「シージ」などDC・マーベル問わず数多くのコミックを翻訳している。美人すぎる翻訳家としても話題を集めている。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』をはじめ、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『デッドプール』『スーサイド・スクワッド』など、2016年はアメコミことアメリカン・コミックスを扱った映画の豊作イヤー!アメコミ大好き女子としては、仲良しの女友達とアレコレ観に行きたいところですが…なぜかアレルギー体質の子がどうやら多いようです。
ぴちぴちのボディスーツはNGという声も、ヒーローものって正直わかんないという声も納得はできるけれど、でもここは声を大にして言いたい! 食わず嫌いのあなた、損をしていますよ!
そもそも日本の漫画に比べて、主人公の年齢が高めのアメコミ。境遇こそ変わっている彼らですが、家族や恋人との関係に悩んだり、自分の在り方について迷ったり、抱える問題は私達とそう変わりません。そのリアリティが、大人になった今だからこそ、心にズンと響きます。
かくいう私も、はじめは苦手意識がありました。見る目が変わったのは、コミック「バットマン:イヤーワン/イヤーツー」との出会い。アルバイト先の出版社でたまたま関わった本でしたが、ここに出てくるヒーローのバットマンは、とにかく失敗が多いんです。そもそも彼はただの人であり、ヒーロー活動を始めた理由も、両親を目の前で殺されたトラウマの克服という、ごく個人的な理由から。完全無欠の善意じゃないだけに社会から時に疎まれ、未熟な自分の在り方に焦っては葛藤しつつ、それでもストイックに街を護るヒーローであり続けようとするバットマンの姿は、当時就活も恋もボロボロだった私にとって、大いに励みとなりました。
さて、前記した「イヤーワン」は、その基本プロットが2005年にクリストファー・ノーラン監督によって『バットマン ビギンズ』として映像化されましたが、続く続編として制作された『ダークナイト』は、近年のハリウッド作品でもベストの一本と称される、超一級のクライムサスペンスに仕上がっています。
前作で名実共にヒーローとなったバットマンの前に現れる狂気の貴公子ジョーカー。彼は、バットマンのやり方を自己流に取り入れ悪用し、「お前が俺を生み出した」 と嘯きながら、街を恐怖に陥れます。作品の魅力は、舞台も設定もフィクションでありつつ、どこか心のざわめきを感じさせる圧倒的リアリティと、それを支える俳優陣の演技力。特に、今世紀最大ともいえる悪役を演じきった故ヒース・レジャーの怪演は、老若男女問わず問答無用で見る者を惹きつけます。一作目を飛ばしても十分楽しめる逸品です。
そしていよいよ3月25日(金)に公開される『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、2013年に公開された『マン・オブ・スティール』の続編となります。
『マン・オブ・スティール』の主役は、このたびバットマンと戦うスーパーマンその人。アンチヒーローであるバットマンとは対照的に、異星人でありながら地球に尽くす完璧な英雄です。しかし、その一方で彼は群を抜いた能力ゆえに、誰ともわかちあえない孤独を抱えています。人と違うから受け入れられない辛さを、人生のどこかで感じたことのある人は多いはず。ザック・スナイダー監督の描くこのスーパーマンは、その孤独と切なさを観客にひしひしと伝えてきます。『ダークナイト』と比べるとSF要素は少し強めですが、社会とうまく関われない若者が、家族の愛情に支えられ立派に育っていく成長物語でもあり、心を揺さぶるヒューマンドラマとしても納得の良作といえるでしょう。
さて、皆様。食わず嫌いだった彼らの映画をちょっぴり齧ってみたくなりませんか? 先入観に囚われず観てみたら、きっと新しく好きな映画の一つになるはずです。ぜひ、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を劇場の大スクリーンで楽しんでください!