東京国際映画祭特別招待『ユメ十夜』ワールドプレミア舞台挨拶
文豪・夏目漱石の幻想小説「夢十夜」の完全映画化を実現した『ユメ十夜』。日本映画界の巨匠から若手まで、10人の映画監督たちが独自の解釈を取り入れ、10分×10話のオムニバス映画として完成させた本作。10月22日(日)、特別招待作品部門に出品されている第19回東京国際映画祭にてワールドプレミアが行われ、各作品を代表して(写真上:左から)角田豊、うじきつよし、清水崇、清水厚、豊島圭介、TOZAWA、河原真明、藤岡弘、緒川たまき、山口雄大、と個性的な10名が舞台挨拶に登壇した。
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「第ニ夜」を手がけた市川崑監督の代理で登場したうじきつよしは、「なんとクロージング作品を飾る市川監督の『犬神家の一族』がまだ出来ておりません! 最後までねばっております。『ユメ十夜』については、全部の作品を見ていないのに言えるか! と生意気なことを言っております」と、90歳を越えて、今もなお精力的に製作に取り組む市川監督の様子を冗談まじりに語り、会場の笑いを誘った。
また、「第九夜」に出演した緒川たまきは「『夢十夜』は、私が高校生の時に読んで夢中になった作品。『豚に舐められますがようござんすか』という文章が自分の中でブームになり、いつも口ずさんでいました」と本作へ寄せる思いを語った。
実は映画祭で上映されている『ユメ十夜』は、九夜のみの“TIFF特別バージョン”。『THE JUON/呪怨』でハリウッドデビューを果たした清水崇監督は、これから「第三夜」の撮影に入る。「『夢十夜』は前から知っていて、『第三夜』を昔からやりたいと思っていました。巨匠のみなさまをお待たせして非常に申し訳ないのですが、もうしばらく待っていただきたいと思います」と、控えめながらも本作に対する熱意を語った。
1906年10月22日、「余は吾文を以て百代の後に伝えんと欲する野心家なり」(100年後にその真実は理解されるであろう)という言葉を残した夏目漱石。そして、その挑戦を受けるかたちで製作された『ユメ十夜』。100年後にあたる2006年10月22日に初上映を迎えることとなった東京国際映画祭ワールドプレミアは、まさに歴史的な瞬間となった。
尚最後のピースを埋める清水監督の「第三夜」は、11月23日より開催されるTOKYOシネシティフェスティバルでお披露目されることが決定している。
《シネマカフェ編集部》
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