【『黒帯』撮影現場レポートvol.06】健太役の深澤嵐くんは今日も笑顔!
取材6日目。茨城の石岡の古寺にやって来た。いやはや到着するのに5時間もかかってしまった。電車に乗り遅れたり、無人駅でタクシーがつかまらなかったり…。到着と同時にランチの時間。午前中の取材に間に合わなかったのに、食事をごちそうになってしまった。なんともお恥ずかしいかぎりです。
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今日は古寺の軒下の掘っ建て小屋にいる義龍と健太、花、そして身売りされた少女とその親たちの撮影。ヤクザの手から逃れても行き場のない彼らが身を隠しているのだ。だが健太が、ヤクザたちがこちらに向かっていることを告げる。義龍は花たちを守ることを誓うが、健太になじられる。「悪いヤツも倒せないなんて」と。だが何も言えない義龍。義龍にとって空手が全てなのだ。師の教えに背くことは、その空手を捨てることに等しい。強くなるために稽古しているのに子供を守ることすら出来ないのだ。苦悩する義龍の横顔が切ない。
いきなりスタッフの方たちが雨合羽を着込みはじめた。そうなのだ。今日の撮影は雨。散水車で雨を降らせる。3トンの水を積んだ散水車がスタンバイしていた。3トンなんてすごい量だと思っていたら「少ない方ですよ」だそうだ。撮影に入る前に掘っ建て小屋と周辺に水をまいている。これをスタッフの方は「雨濡らし」と呼んでいた。たしかに本番でいきなり雨を降らせても濡れていないところがあったりしたら不自然だろう。さらに照明さんが陽光を遮って曇り空の明るさにする。
外から小屋に駆け込んでくる健太の身体に霧吹きで水を吹きつける。天気は良くても寒いので少し可哀そうだが、健太役の深澤嵐くんはいつも笑顔。現場にいて感じることだが、スタッフの方々はいつも穏やかで親切だ。無知な筆者にも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれる。連日の長丁場の撮影と長距離の移動で、睡眠もままならず疲労困憊しているはずなのに。これには本当に頭が下がりました。
夕方からは長英役の鈴木ゆうじさんが稽古をするシーンの撮影が行われた。壺を両手に持って型をするという風変わりな稽古だ。休憩の合間に壺を持たせてもらったのだが、これがずっしりと重い。鈴木さんが軽々と持ち上げているのでニセモノだと思っていたのに…。
明日は大観と義龍が相まみえる決戦の地での撮影だ。撮影もいよいよ大詰め。千葉の木更津で早朝から日の入りまでびっしりスケジュールが組まれている。天気予報は晴れだ!
《text:Akira Sano》
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