「映画を撮りながら時々恐怖を感じるよ」 『イーグル・アイ』D・J・カルーソー監督
社会のあらゆるところに張りめぐらされ、我々の生活を支えるデジタル・テクノロジー。だがもし、発達し過ぎたこれらのテクノロジーがある日突然、人類に牙をむいたら——? スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の下、ネットワーク化が進んだ現代社会の恐怖を描いた『イーグル・アイ』。本作の監督を務めたD・J・カルーソーに話を聞いた。
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社会のあらゆるところに張りめぐらされ、我々の生活を支えるデジタル・テクノロジー。だがもし、発達し過ぎたこれらのテクノロジーがある日突然、人類に牙をむいたら——? スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の下、ネットワーク化が進んだ現代社会の恐怖を描いた『イーグル・アイ』。本作の監督を務めたD・J・カルーソーに話を聞いた。
——スピルバーグ、そして主演のシャイア・ラブーフとは前作『ディスタービア』に続いてのタッグとなりますが、本作を引き受けることになった経緯は?
ある日、スピルバーグから、彼が長年温めてきた企画の脚本が、数週間の内にあがってくると明かされたんです。彼が言うには「やっと映像化するときが来た。君のDNAにぴったりの作品だ」って。読んでみたらまさにその通りでした。
——とは言え、“スピルバーグ印”の原案を“カルーソー印”の作品として仕上げるまでには、相当の苦労があったのでは?
脚本に描かれていた物語は、起承転結のしっかりした、まさにジェットコースター・ムービーと呼ぶべきものでした。ですが、登場人物たちが成長していく過程には物足りなさを感じたんです。そこでまず行ったのは、主人公のジェリー(シャイア・ラブーフ)の背景を掘り下げることでした。派手なアクションによって、登場人物たちのドラマが埋もれてしまうことがないように気をつけました。
——シャイアとの仕事、特に前作と比べての彼の成長について聞かせてください。
『ディスタービア』から2年、今回の撮影時には彼は21歳になっていましたが、自分の哲学、人生観の部分が変化したようですね。10代の頃はどうしても自分を中心に考えてしまいがちですが、今回の役へのアプローチでは、しっかりと大人の視点を持っていました。仕事に対する熱心さは前作から全く変わっていませんが、この2年で経験してきたことが、演技の深みにつながっているのだと思います。実は、彼と一緒に役を作っていく上で、最も大切にしているのがリハーサルなんです。およそ2週間をかけて、ジェリーは、どんな音楽を聴くのかといったバックグラウンドを作り上げていきました。時に、脚本にはないシーンを演じてもらうこともありました。
——劇中では人間がテクノロジーに依存し過ぎていることに警鐘が鳴らされていますが、一方で映画もまた最新テクノロジーの恩恵を受けています。いまや、どんな映像でも作れるようになっていますが、映画を作りながらこうしたことに監督自身、恐怖を感じることはありませんか?
確かに脅威を感じることはあります。この作品の準備をしているときも隣のスタジオで、ジェームス・キャメロンが新しい作品を撮っていたんです。全身にモーション・キャプチャーを付けた俳優や馬を見て、少し怖くなりました。それから、スピルバーグがピーター・ジャクソンと一緒に、バーチャルなセットを組んで新しい作品を作るという話や、ティム・バートンとジョニー・デップが3Dで作品を作るという話を聞いて空恐ろしいものを感じました。僕自身は、純粋に俳優のアクションほど力強いものはないと信じています。そういう意味で技術の発達に一抹の寂しさを覚えることはありますよ。でも同時に、映画監督として、最先端の技術を把握しておきたいという気持ちもあるんです。
——最新技術を使わずに人間ドラマを撮りたくなることはありませんか?
もちろん出来るならそうしたいですよ! カメラ1台だけでね(笑)。
スピルバーグによる斬新なアクションとカルーソー監督ならではの緻密な人間ドラマ、そしてそれを見事に体現したシャイア。この3人のチームが今後どのような作品を生み出していくのか楽しみだ。
——スピルバーグ、そして主演のシャイア・ラブーフとは前作『ディスタービア』に続いてのタッグとなりますが、本作を引き受けることになった経緯は?
ある日、スピルバーグから、彼が長年温めてきた企画の脚本が、数週間の内にあがってくると明かされたんです。彼が言うには「やっと映像化するときが来た。君のDNAにぴったりの作品だ」って。読んでみたらまさにその通りでした。
——とは言え、“スピルバーグ印”の原案を“カルーソー印”の作品として仕上げるまでには、相当の苦労があったのでは?
脚本に描かれていた物語は、起承転結のしっかりした、まさにジェットコースター・ムービーと呼ぶべきものでした。ですが、登場人物たちが成長していく過程には物足りなさを感じたんです。そこでまず行ったのは、主人公のジェリー(シャイア・ラブーフ)の背景を掘り下げることでした。派手なアクションによって、登場人物たちのドラマが埋もれてしまうことがないように気をつけました。
——シャイアとの仕事、特に前作と比べての彼の成長について聞かせてください。
『ディスタービア』から2年、今回の撮影時には彼は21歳になっていましたが、自分の哲学、人生観の部分が変化したようですね。10代の頃はどうしても自分を中心に考えてしまいがちですが、今回の役へのアプローチでは、しっかりと大人の視点を持っていました。仕事に対する熱心さは前作から全く変わっていませんが、この2年で経験してきたことが、演技の深みにつながっているのだと思います。実は、彼と一緒に役を作っていく上で、最も大切にしているのがリハーサルなんです。およそ2週間をかけて、ジェリーは、どんな音楽を聴くのかといったバックグラウンドを作り上げていきました。時に、脚本にはないシーンを演じてもらうこともありました。
——劇中では人間がテクノロジーに依存し過ぎていることに警鐘が鳴らされていますが、一方で映画もまた最新テクノロジーの恩恵を受けています。いまや、どんな映像でも作れるようになっていますが、映画を作りながらこうしたことに監督自身、恐怖を感じることはありませんか?
確かに脅威を感じることはあります。この作品の準備をしているときも隣のスタジオで、ジェームス・キャメロンが新しい作品を撮っていたんです。全身にモーション・キャプチャーを付けた俳優や馬を見て、少し怖くなりました。それから、スピルバーグがピーター・ジャクソンと一緒に、バーチャルなセットを組んで新しい作品を作るという話や、ティム・バートンとジョニー・デップが3Dで作品を作るという話を聞いて空恐ろしいものを感じました。僕自身は、純粋に俳優のアクションほど力強いものはないと信じています。そういう意味で技術の発達に一抹の寂しさを覚えることはありますよ。でも同時に、映画監督として、最先端の技術を把握しておきたいという気持ちもあるんです。
——最新技術を使わずに人間ドラマを撮りたくなることはありませんか?
もちろん出来るならそうしたいですよ! カメラ1台だけでね(笑)。
スピルバーグによる斬新なアクションとカルーソー監督ならではの緻密な人間ドラマ、そしてそれを見事に体現したシャイア。この3人のチームが今後どのような作品を生み出していくのか楽しみだ。
《シネマカフェ編集部》
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