全編ブラジルロケによる映像美が圧巻 オダギリジョー主演『プラスティック・シティ』
日系ブラジル人のキリン(オダギリジョー)は、幼い頃にアマゾンのジャングルで両親を殺され、命を救ってくれたアジア系ブラジル人のユダ(アンソニー・ウォン)の息子として育てられる。そして、成長したキリンはユダが経営するショッピングモールでコピー商品を売りさばく闇稼業に手を染めながらも、恋人と安定した日々を送っていた。しかし、ある日ユダの失脚を企む組織との抗争が勃発、次々と悲劇が2人に降りかかるのだった…。
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『プラスティック・シティ』は、2月に公開となった韓国映画『悲夢』をはじめ、海外作品からのオファーが相次ぐオダギリジョーと、『インファナル・アフェア』シリーズで知られる香港の名優アンソニー・ウォンの共演で注目されている、中国・香港・ブラジル・日本合作のクライム・ムービー。多民族が暮らすブラジルのサンパウロ市、その中心部にあるリベルダーデを舞台に、血の繋がりよりも固く結ばれた2人の男の絆を描いていく。
裏社会の抗争というストーリー自体には目新しさを感じないが、混沌としたブラジルの街を幻想的に切り取っている映像の美しさ、それがこの映画の見どころ。というのも、監督のユー・リクウァイは、ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』の撮影、ジャ・ジャンクー監督の『長江哀歌』の撮影監督として活躍してきた人物で、特にジャ・ジャンクー監督作のほとんどを任されている名カメラマン。本作がヴェネチア国際映画祭で上映された際には酷評もあがったが、この映像美は観ておく価値ありと言えるだろう。また、オダギリジョーがオール“ブラジル”ロケに挑み、ポルトガル語と中国語で演じている。そんな彼の新しい一面を垣間見られる作品でもある。
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