【シネマモード】2011年、「出会えてよかった」映画をふり返る。
私たちにとって忘れることのできない出来事が次々と起きた2011年が、いよいよ暮れようとしています。年が変わっただけで、物事のすべてが好転するわけではありませんが、年が明ければ気持ちだけでも新たにすることができるのも事実。多くの人にとって、心を切り替えて新しい未来へと進むきっかけになるはずです。
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私たちにとって忘れることのできない出来事が次々と起きた2011年が、いよいよ暮れようとしています。年が変わっただけで、物事のすべてが好転するわけではありませんが、年が明ければ気持ちだけでも新たにすることができるのも事実。多くの人にとって、心を切り替えて新しい未来へと進むきっかけになるはずです。
3月11日以降、私たちが見る世界は決して以前と同じではありません。先日取材させていただいたある方は、今こそ人は自分にとって大事なものと、そうでないものを見極めることができるようになるのだと言っていました。震災直後は、映画など観る気になれないと思っていても、徐々に娯楽の大切さを再認識するようになったという人もいたかもしれません。実は、私がそうでした。頭をただただ空っぽにして笑うことのできるコメディや、現実からちょっと逃避させてくれるラブロマンス、まったく違う世界に連れて行ってくれるファンタジーやSF、そしてかなり骨太な社会派ドラマまで、どれだけの映画に救われたことか。映画の中の素敵なファッションも、華やかな夢を見させてくれました。一度はいらないように思えたものが、やはり生活には大事な潤いだったということに改めて気づかされたのが今年。そんな意義深い年をふり返ってみると、しみじみ出会えてよかったと思える劇場公開作品が5つ思い浮かびます。『未来を生きる君たちへ』、『127時間』、『ブラック・スワン』、『奇跡』、『イリュージョニスト』が、今年の私のお気に入りとなりました。
特に『ブラック・スワン』は、ファッションの面でも注目したい部分が多い作品。ナタリー・ポートマン演じる優等生タイプのニナが、純真な白鳥と官能的な黒鳥の二役を演じなければならないことで混乱をきたしていく過程で“もう一人の自分”を発見していくのですが、もともと白や淡い色を好んでいたニナが(ベッドルームはパステルピンクづくし!)、どう変化・変容していくかが見ものです。セクシーなライバルを演じたミラ・クニスとの対称性も面白く、2人は食べ物からして正反対。変化する前のニナは、グレープフルーツやケーキなどパステル調のもの。反対にミラ演じるリリーは着るものから食べ物まで、完全なる肉食女の体(てい)。2人の女性の描き方だけでなく、映画的言語を駆使して描かれていくバレエダンサーの深層心理が、恐ろしいほどの鋭さで描かれていて、映画好きにはたまりませんでした。
この作品は震災後の5月公開でしたが、私の周囲には公開直後から「観た!」と話してくれる知人も多く、映画産業もなんとか回っているようだなと安心させてくれた作品でもありました。どんな状況にあっても、楽しみなしに生きていくのは難しいもの。音楽、スポーツ、アート、本、そして映画。人によって求めるものは違っても、潤いや喜びを求める気持ちは同じ。そして、それを求めることは、例えば今年の日本のような状況にあっても、決して不謹慎でもなんでもないのだと、被災地で移動映画館がとても喜ばれていたのを見たとき確信できました。
「やっぱり映画はいい!」。シネマカフェファンの方々も、そう思っているといいなと思いつつ、今年のコラムを締めくくりたいと思います。それではみなさま、良いお年を!
「ブラック・スワン」DVD
価格:2,990円(税込)
発売中
「ブラック・スワン 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)」[初回生産限定]
価格:4,190円(税込)
発売中
発売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント・ジャパン
© 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
3月11日以降、私たちが見る世界は決して以前と同じではありません。先日取材させていただいたある方は、今こそ人は自分にとって大事なものと、そうでないものを見極めることができるようになるのだと言っていました。震災直後は、映画など観る気になれないと思っていても、徐々に娯楽の大切さを再認識するようになったという人もいたかもしれません。実は、私がそうでした。頭をただただ空っぽにして笑うことのできるコメディや、現実からちょっと逃避させてくれるラブロマンス、まったく違う世界に連れて行ってくれるファンタジーやSF、そしてかなり骨太な社会派ドラマまで、どれだけの映画に救われたことか。映画の中の素敵なファッションも、華やかな夢を見させてくれました。一度はいらないように思えたものが、やはり生活には大事な潤いだったということに改めて気づかされたのが今年。そんな意義深い年をふり返ってみると、しみじみ出会えてよかったと思える劇場公開作品が5つ思い浮かびます。『未来を生きる君たちへ』、『127時間』、『ブラック・スワン』、『奇跡』、『イリュージョニスト』が、今年の私のお気に入りとなりました。
特に『ブラック・スワン』は、ファッションの面でも注目したい部分が多い作品。ナタリー・ポートマン演じる優等生タイプのニナが、純真な白鳥と官能的な黒鳥の二役を演じなければならないことで混乱をきたしていく過程で“もう一人の自分”を発見していくのですが、もともと白や淡い色を好んでいたニナが(ベッドルームはパステルピンクづくし!)、どう変化・変容していくかが見ものです。セクシーなライバルを演じたミラ・クニスとの対称性も面白く、2人は食べ物からして正反対。変化する前のニナは、グレープフルーツやケーキなどパステル調のもの。反対にミラ演じるリリーは着るものから食べ物まで、完全なる肉食女の体(てい)。2人の女性の描き方だけでなく、映画的言語を駆使して描かれていくバレエダンサーの深層心理が、恐ろしいほどの鋭さで描かれていて、映画好きにはたまりませんでした。
この作品は震災後の5月公開でしたが、私の周囲には公開直後から「観た!」と話してくれる知人も多く、映画産業もなんとか回っているようだなと安心させてくれた作品でもありました。どんな状況にあっても、楽しみなしに生きていくのは難しいもの。音楽、スポーツ、アート、本、そして映画。人によって求めるものは違っても、潤いや喜びを求める気持ちは同じ。そして、それを求めることは、例えば今年の日本のような状況にあっても、決して不謹慎でもなんでもないのだと、被災地で移動映画館がとても喜ばれていたのを見たとき確信できました。
「やっぱり映画はいい!」。シネマカフェファンの方々も、そう思っているといいなと思いつつ、今年のコラムを締めくくりたいと思います。それではみなさま、良いお年を!
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価格:2,990円(税込)
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発売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント・ジャパン
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