竹内結子、三谷幸喜の遅筆ぶりに苦言!
三谷幸喜が脚本・監督を務めた“完全ワンカットワンシーン”のドラマでWOWOWにて放送される「大空港 2013」の完成披露試写会が12月20日(金)に開催され…
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カメラを一度も止めることなく、文字通り「ワンカットワンシーン」で約100分間撮り続けるという本作。三谷監督にとっては同じくWOWOWで製作された「short cut」に続く試みとなる。
今回の舞台は信州・松本空港。羽田に向かう途中で天候不良で緊急着陸した同空港でグランドスタッフの女性(竹内さん)とそれぞれに秘密を抱えた一家を中心に巻き起こる騒動をカメラはひたすら追い続ける。
撮影は松本空港を6日間借り切って行われた(うち1日は雨のため中止)が、時間が限られており、撮影のチャンスは1日1回。早朝から準備し、約100分間、撮り続けて朝の9時には終了し、その後、撮った映像を見ながらキャスト、スタッフで反省会を開かれたという。
三谷監督は「僕は映画も撮ってますが舞台から来た人間です。舞台は究極の1カット1シーンの作品。その面白さを映像に持って来れないか? そういうのができる位置にいるのは僕だけなんじゃないかと思った」と1カット1シーン作品を撮ろうと考えた経緯を説明。
竹内さんはオファーを受けて「最初はとにかく楽しみでした」と述懐。「『short cut』を見て、なんて面白い企画だろうと思ってたんですが、飛び込んでみてゾッとしました。何て恐ろしい物件を受けてしまったんだろうって」と苦笑する。
撮影前には東京で3日間、松本で4日間のリハーサルの時間が取られていたが、竹内さんによると、台本が全て出来上がって届けられたのは「松本に移動する前日。ホテルで泣きながら覚えた」とのこと。竹内さんは「俳優を代表して言わせてもらいますが、台本は早くください(笑)!!」と三谷監督の遅筆ぶりに苦言を呈す。三谷監督は申し訳なさそうにしつつも「できたんだからいいじゃん…。追い詰められてこそできる人もいる」とモゴモゴと言い訳をして笑いを誘っていた。
1カット1シーンということは、俳優にとってはNGが絶対に出せない(しかもチャンスは1日1回!)というプレッシャーの中での演技となるが、三谷監督はさらに仕掛けを用意したという。「俳優さんというのはやればやるほど馴染んでいくもので、それは逆に言うと新鮮さがなくなってしまうということ。4テイク目に俳優さんにも言わないでわざとアクシデントを起こした」と告白。それは生瀬勝久が、妹役の神野三鈴に怒りを爆発させるシーンで、台本にはない壁のポスターを破るという行動を生瀬さんに指示した。竹内さんはその破れたポスターを拾い集めねばならず、さらにそれをほかの同僚に渡さなくてはならなかったのだが、ここでも同僚がなかなか来ないで焦ったそう。「戸惑っている姿が映ってると思います。最終的には食堂のおばちゃんに渡しました」と冷や汗体験を明かした。
三谷監督はそんな竹内さんのアドリブにも対応するポテンシャルを絶賛。一度、エキストラの乗客が誤って、竹内さんと石橋杏奈の間に割り込んでしまったそうだが「竹内さんは落ち着いて『お通りください』とグランドスタッフとして対応してました。なりきってないと出来ないこと」と称賛していた。
三谷監督はこの1カット1シーンドラマの第3弾の可能性について「TVドラマでしかできないし、もっと言うと途中でCMを入れたら意味がないのでWOWOWだからこそできること。可能性は感じてます」と意欲的。竹内さんはもしまたオファーが来たら? という問いに「ちょっと考えますが…頑張ります」と前向きな返事。「台本なしで始まるって怖いですよ!」という竹内さんの言葉に三谷さんは「気をつけます! でも、あなたは出来る人だから」と半ば開き直り? 「次は台本なしでやってみましょうか?」と俳優への丸投げの可能性すら示唆し、会場は笑いに包まれた。
「大空港 2013」は12月29日(日)22:00より放送。
放送後には、本作のメイキングである「三谷幸喜「大空港2013」ができるまで」を放送。また、本作の撮影監督の山本英夫を追ったドキュメンタリー「撮影監督・山本英夫 ~三谷幸喜の夢を撮る~」が12月27日(金)22:00より放送される。
《シネマカフェ編集部》
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