永作博美、キャリアウーマンを演じ、時代を切り拓いた女性たちに敬意!
改めて、亜紀のように迷いながらも生きている女性たちへのアドバイスを求められると、永作さんは「私も確かなものも掴むものもなく必死に生きてきました。もがき苦しみながら生きていくしかないんですが…
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バブル崩壊後の90年代の初頭から2000年代にかけて、女性総合職の先駆けとして奮闘しながら、自らの人生を選択し、歩んでいく女性の姿を描き出す本作。
永作さんは、本作で演じた亜紀について「信念が強く、突き進む女性。でも、強いけど普通の女性でもある彼女が生きた10年の足跡を残したいと思い、時に揺れながら、ブレながら演じました」と語る。
総合職として登用されるも名ばかりで、会議でも彼女などいないかのように進んでいくシーンも。「本当に必要とされていない人間なんだというのを感じ、できることなら退出したいという気持ちになって、本当に息苦しくなりました。こういう道を進んできた女性がいたんだなと思い、いま、多少なりとも女性の間口が広くなったというのはあると思いますが、ここを生き抜いてきた人は本当にすごいと思いました」と新たな時代を切り拓くべく奮闘した女性たちへの敬意を口にした。
原作となったのは直木賞作家・白石一文の同名小説。白石さんの小説の映像化は今回が初めてのことだが、脚本を手がけた岡田さんは「これだけたくさんの作品があるのに、映像化されていなかったというのは、何らかの理由がある――おそらく白石さんが(映像化作品に)懐疑的なのだと思い、その重圧感たるや…。もしも書いてから『やっぱり』と言われたら、筆を折るくらい落ち込むし、もう白石さんの作品が映像化されることはなくなるだろうという責任もありました。文量も多く、これをドラマの脚本にするのは脚本家の力量が試されると気合いが入りました」とふり返った。
宮本さんは、亜紀のかつての恋人で江口洋介演じる康の母親・佐智子を演じたが「昔の懐かしいお母さんであり、雪国で育った彼女の後ろには雪があるということを大切に演じた」と述懐。実際に、彼女の暮らす新潟県の長岡に足を運んで、そこで感じたことを大事にしながら役を作り上げていったという。
永作さんとの共演は初めてだが、永作さんについて「すごくかわいい人。気が強くて負けん気で(笑)。合間によく喋りました」と楽しそうに明かす。佐智子は酒蔵を切り盛りしており、永作さんと共に蔵での撮影にも臨んだが「永作さんはいつも酒のパンフレットを見てました(笑)」と暴露し、永作さんは「選んでました(笑)」と照れくさそうに告白。2人で酒を楽しんだようだ。
瀧本監督は永作さんの演技を絶賛しつつ、「テストのときと本番で演技が変わるんです。『こういう方向で』と私が言って行なったテストよりもはるかに良いものが出てくるので、いつも『くそー』と思ってました。テストからやってくれてもいいのに…」とボヤキ気味。永作さんは「監督の指示に従ってやっただけです。導いてくれたのは監督ですよ」と笑顔でフォローしていた。
改めて、亜紀のように迷いながらも生きている女性たちへのアドバイスを求められると、永作さんは「私も確かなものも掴むものもなく必死に生きてきました。もがき苦しみながら生きていくしかないんですが、決してそれは一人ではなく、みんな同じです。それでもどうしようもなくなったら、終わったことは忘れることにしています(笑)」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。
「私という運命について」は3月23日(日)より放送開始(全5話/※第1話は無料放送)。
《シネマカフェ編集部》
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