宮沢りえ、デモ騒動中のバンコクで撮影敢行! 女優魂込めた『紙の月』11月公開決定
ドラマ化もされた角田光代のベストセラー小説を、宮沢りえ主演で映画化する『紙の月』。遡ることおよそ1か月前の3月30日、タイ・バンコクにてクランクアップを迎え、当初2015年の公開を予定していたが…
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物語の舞台は、バブル崩壊直後の1994年。わかば銀行の契約社員として働く、平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)。上司や顧客からの信頼も厚く、何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心が薄い夫(田辺誠一)との間には見えない溝ができ始めていた。そんなある日、梨花は年下の大学生・光太(池松壮亮)と出会い、やがて二人は男女の関係になる。
光太と過ごすうち、ついに顧客のお金に手をつけてしまう梨花。高価な買い物や高級な食事、ホテルのスイートでの連泊を重ねるうち、やがて金銭感覚と日常が少しずつ歪み出し、最初は1万円に過ぎなかった横領が、次第にエスカレートしていく…。
『桐島、部活やめるってよ』で数多の映画賞を総なめにした吉田大八監督がメガホンをとる本格サスペンスとなる本作。撮影は今年1月末に東京にてクランクイン。日本での撮影を終え、3月29日・30日の両日はデモ騒擾で厳戒下にあったがそんな中でも、タイ・バンコクでロケを決行し、無事全編クランクアップを迎えたとのこと。
主人公・梨花を演じた宮沢と2か月におよぶ撮影をとおして、吉田監督はかなりの手応えを掴んだ様子。「クランクインからアップまで、2か月にわたりカメラの前で宮沢りえを始めとする素晴らしい俳優たちが身も心も振り絞って見せてくれた奇蹟の全てを、一滴も残さず映画に封じ込めたい! …そんなテンションで毎日編集中です。観客のみなさんはもちろん、誰より僕自身が観たいので、なる早で仕上げて松竹に納品します!」とコメントを寄せている。
さらに、プロデューサーを務めた松竹の池田史嗣史氏からは、「スケジュールの調整は勿論ですが、タイ・バンコクは丁度デモによる騒乱が報じられ、万が一のことも危惧される中、作品のため、そして監督のために勇気ある決断をしてくださった宮沢りえさんに、心から敬意を表します。ラストシーンの撮影においては、もはや宮沢さんは監督に何も聞くことなくこれ以上ないほどの表情を見せ、また監督もあえて特段の演出も行うことなく、最高のシーンを撮ってくれました」と、宮沢さんと吉田監督に感謝のコメントも。
ここまでスタッフたちが自負を口にする作品も稀だが、それ故に完成度の高さに思わず期待が高まる。
映画『紙の月』は11月、全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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