【シネマカフェ的海外ドラマvol.324】「アメリカン・アイドル」失速気味? 人気回復のカギは“新星”
前回に続いてジェニファー・ロペス関連番組を取り上げるのは全くの偶然ですが、彼女が審査員を務める「アメリカン・アイドル」が…
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司会者のライアン・シークレストが放送中、「視聴率No.1だった時代が懐かしいなあ」なんて自虐的なジョークを飛ばしたことからも分かるように、かつては記録的高視聴率を誇っていた国民的オーディション番組「アメリカン・アイドル」もシーズン14を迎えてさすがに失速気味。あの手この手で人気回復を狙っているのが見て取れます。
全米各地での地方予選に合格した歌声自慢の参加者たちが、審査に次ぐ審査でどんどんふるい落とされ、最後まで勝ち残った1人が“アメリカン・アイドル”に! という大まかな流れは同じですが、審査過程や投票方法をマイナーチェンジしたり、放送形態を変更したり。同じ局の大人気音楽ドラマ「Empire 成功の代償」のキャストをゲストに招き、劇中曲をパフォーマンスしてもらった回もありました。
そんな中、私たち視聴者は今シーズンもやはりお気に入りの参加者を見つけ、応援するわけですが、今年の私のお気に入りはテネシー州出身のクラーク・ベッカム、22歳。青い瞳にプルプルの唇というルックスのよさもさることながら、パフォーマンス力が抜群。ややハスキーな声でセンスよく歌い上げる様が素敵で、今のところ勝ち残り方もスマート。シーズン7の優勝者デヴィッド・クックやシーズン11の優勝者フィリップ・フィリップスのように、このまま息切れすることなく余裕勝ちする予感すら漂っています。
また、もう1人気になっていたのは、参加資格のある15歳(上限は28歳)になったばかりのダニエル・シーヴィ。とてもキュートにエド・シーランを歌うダニエルくんは、トップ8を前に脱落しました。若い参加者の活躍も目立つ「アメリカン・アイドル」ですが、もちろん彼は今シーズンの最年少。審査員のハリー・コニックJr.は彼の若さを心配していましたが、やはり番組で揉まれるには時期尚早でした。一方、「才能はあるし、キュートだし。でも若いし…」と迷いに迷った末、地方予選にやって来た彼を合格させたのはジェニファー・ロペスとキース・アーバン。審査員3人の真摯な批評と意見の食い違いも番組の楽しみではありますが、この件に関してはハリーが正しかったようです。
かつて「アメリカン・アイドル」の名物審査員だったサイモン・コーウェルが、これまた審査員を務めるイギリスのオーディション番組「Xファクター」で2008年、とても歌が上手くて、チャーミングで、けれども若くて未熟な参加者にこう言いました。「2年経ったらまた挑戦しにおいで」。当時14歳だった男の子はサイモンの言葉を真摯に受け止め、2年後、再チャレンジにやって来ました。それがワン・ダイレクションのリアム・ペインです。「アメリカン・アイドル」においても、最年少でシーズン10を制したスコッティ・マクレアリーは当時17歳。シーズン6を制したジョーダン・スパークスも当時17歳。今後ダニエルくんがどんな道を歩むにせよ、鍵を握るのは“2年後”かもしれません。
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