【特別映像】トイレに行く“神様”の発明が人々を救う…『ハッピーエンドの選び方』
すでに鑑賞した多くのマスコミ関係者から“イスラエル版”『おくりびと』との呼び声も高い『ハッピーエンドの選び方』。人生の“最期の選び方”というテーマながら、ヴェネチアを始め世界中の映画祭が
映画
洋画ニュース
-
「思ったよりお似合い」イ・ジョンソクとムン・ガヨン、香港での目撃談が話題!
-
『おくりびと』に影響受けた…イスラエル発『ハッピーエンドの選び方』公開決定
-
「短くて面白い」が選ばれる新時代――新たな配信サービスの挑戦

エルサレムの老人ホームに暮らす、発明好きのヨヘスケル。ある日、彼は望まぬ延命治療に苦しむ親友マックスから、発明で安らかに死なせてほしいと頼まれる。彼は親友を助けたい一心で、自らスイッチを押して苦しまずに最期を迎える装置を発明する。すると、秘密だったはずのその発明の評判は瞬く間に広がり、彼のもとに依頼が殺到。そんな中、愛する妻レバーナに認知症の兆候があらわれ…。
長年連れ添った愛する伴侶や仲間たちの最期の想いを大切にしたいという、人生の大先輩たちの奮闘が見どころとなる本作。
解禁された映像では、ヨヘスケルが自らが発明した“神様と話せる電話機”を使って、がんが再発した友人のゼルダを励ますシーンからスタート。声を加工させ、自ら“神様”と名乗りながら、天国の空き状況を調べたり、間違いを慌ててごまかすなどユーモラスで微笑ましい“神様”ヨヘスケルの姿が見られる。
電話を切った後、彼はトイレへ行くが、実はそこには深い意味がある。「あれは、神がお隠れになるという意味でもあるのです。この作品では神は隠れていていない=自分で選択して決めるということです」と、タル・グラニット監督は言う。「ユダヤ教においては、命は神のものですが、この作品で問いかけたかったことは、選択の自由、生きたいように生きる、終わらせたいように終わらせる自由です」。まさに、“命は誰のものなのか?”という本作のテーマのひとつが内包された場面なのだ。
本作の舞台となったエルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、それぞれの聖地とされている。そのような状況で、いま、この題材を扱うにあたっては苦労もあったはずだが、「国家は宗教に厳格ですが、敬虔な信者は20%に満たないんです。彼らはテレビも見ないし、映画館にも行かないからそんなに問題はなかったです」と、監督からは意外とも思える回答が…。
さらに、監督は「安楽死を考える理由に、貧困、孤独、介護疲れなどが入ってしまうと複雑になり過ぎて、テーマが薄れてしまうので、あえてそれを排除しました」とも明かしている。
やがて、ヨヘスケルは自らスイッチを押して苦しまずに最期を迎える装置を発明し、同じホームの仲間たちの助けも借りて親友を見送ることになるが、冒頭に登場するゼルダ、妻のレバーナをはじめ、死と向き合うことになる人々がどのような最期を選ぶのか? 夫婦の絆の深さや家族の愛情とともに描かれた物語の行方に注目だ。
『ハッピーエンドの選び方』は11月28日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
特集
関連記事
この記事の写真
/