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【インタビュー】「ザ・クラウン」キャストが語る“女王”“結婚”とは?

現イギリス女王エリザベス2世の愛と葛藤を描くNetflixオリジナルドラマ「ザ・クラウン」。シーズン1の撮影も終盤にさしかかった今年2月、ロケが行われるロンドンのランカスター・ハウスで…

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現イギリス女王エリザベス2世の愛と葛藤を描くNetflixオリジナルドラマ「ザ・クラウン」。シーズン1の撮影も終盤にさしかかった今年2月、ロケが行われるロンドンのランカスター・ハウスで、主要キャストたちへのインタビューを敢行した。

アクアブルーのワンピース姿(撮影用衣装)で、最初に現れたのはエリザベス女王役のクレア・フォイ。BBCドラマ「ウルフ・ホール」のアン・ブーリン役などでも知られる彼女が、25歳で即位し、家族や国民の愛を勝ち取っていくエリザベス女王を演じる。誰もが知る人物を演じるにあたり、何冊かの本を読んでリサーチしたというクレアだが、「結局、密室で何が起きているかは分からない」とも。「大勢のイギリス人と同じく、私も人生のかなりの時を女王と共に過ごしている。でも、それはあくまで公共の面のこと。私たちのドラマでは、彼女の人生のとても小さな部分なの。だから、私はピーター(・モーガン)の脚本を読んで、“これが彼女なのね。じゃあ、私はこれを演じるわ”という感じだった」。

プロデューサーのアンドリュー・イートンも、「彼女のオーディションは本当に素晴らしかった」とクレアを絶賛。大役をつかみ、シーズン1の撮影を間もなく終えるいま、彼女の中では「女王への尊敬の念が明らかに大きくなっている」そうだ。「いまも生存している人で、彼女ほど政治的、経済的、社会的変化を経験してきた人はほとんどいないと思う。彼女はすべてを見てきたし、すべての物事の真っ只中にいる。一方、人として同情し、理解できる部分もあるの。彼女はとても若いときに父親を失い、ものすごい責任と仕事を負うことになった。世界の重荷が突然肩にのしかかり、父の死を嘆くことすらできなかったの。多くの人々が『あなたは英国女王になったんですよ。万歳!』と言う中でね」。

人間ドラマの主人公としての女王は、夫フィリップとの結婚生活を通しても描かれる。フィリップ役のマット・スミスは「最高」とのこと。「彼のことが大好き。彼以外のフィリップは考えられないわ。このドラマで描かれているのは、“結婚”なの。それは時にとてもタフになり得るもので、愛し合う2人はとても大きなプレッシャーをかけられる。子どもたちの両親としてもね。すごく複雑で、素晴らしく、興味深い物語になっているはずよ」。

一方、英国君主たる女王を描く上では、この人物が鍵を握る。首相のウィンストン・チャーチルを演じるジョン・リスゴーが、続けてインタビューに応えた。シーズン1では、傲慢なチャーチルと女王の関係も描かれていく。アメリカ人であるジョン・リスゴーにとって、チャーチル役のオファーは意外なものだったようだ。「(監督の)スティーヴン・ダルドリーに会ったとき、真っ先に訊ねたよ。『なぜ僕なんだい?』とね。でも、ある意味独創的な選択だし、イギリスの歴史全体の中でも際立ったイギリス人を演じるのに、アウトサイダーを雇ったのは興味深いことだと思う。チャーチルみたいな人はほかにいないからね」。

「とても気難しく、とても繊細で、勇気があり、時にはほとんど感傷的。彼を描写する形容詞を10個は言えるよ。様々な面があって、演じがいのあるキャラクターなんだ」というチャーチルは、物語の中でコミックリリーフ的な役割も果たすそうだ。「彼は素晴らしいウィットの持ち主であると同時に、無意識の可笑しさも備えている。彼の癇癪さえもコミカルだったんだ。もちろん、『ザ・クラウン』はシリアスなドラマだし、チャーチルもシリアスなキャラクターだけどね。素晴らしいキャラクターだからこそ、どんな人と組み合わせても、すぐに興味深い関係が出来上がるのだと思うよ」。

「ザ・クラウン」は11月4日(金)より全世界同時オンラインストリーミング開始。

協力:Netflix

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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