ゲイリー・オールドマンの伝説的作品も!“シド&ナンシー”に迫る2作が同時公開
元「セックス・ピストルズ」のシド・ヴィシャスとその恋人ナンシー・スパンゲンの愛と生涯を描いたドキュメンタリー映画『SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー』が、12月17日(土)より全国順次公開されることが決定。さらに、ゲイリー・オールドマン
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
『(500)日のサマー』でも、トムとサマーのすれ違いぶりを象徴するように登場していた、シドとナンシーのカップル。ゲイリー・オールドマンのデビュー作として、一躍彼の名を世に知らしめた『シド・アンド・ナンシー』は、シドの死から7年たった1986年に公開され、世界中で大ヒットを記録、イギリスだけでなく世界的にも「セックス・ピストルズ」の人気を再浮上させた。若い世代にもバンドは広く認知されるようになり、また、ラブストーリーという側面においても、激しく刹那的に恋に身を焦がし、ドラッグに溺れていくシドとナンシーの姿が強烈な印象を与えた。
当時のオールドマンは、細身のシドに似せるため大幅な減量を行い、シドの実の母親に何度も会いに行くなど、徹底した役作りで撮影に臨んだ。本作でオールドマンが魅せた演技はファンからも高く評価され、完成した映画を観たシドの母親に「息子が蘇った」と言わしめるほどのものだったという。
「My Way」のプロモーションビデオや、テムズ川のボートでのゲリラライブ、剃刀で胸に刻んだメッセージなど、ファン垂涎の有名シーンの再現は大きな見どころとなっており、オールドマン以外にも「ザ・ストゥージズ」のイギー・ポップや、カート・コバーンの妻であるコートニー・ラブなど、豪華キャストが脇役として顔をそろえた。さらには、音楽を「ザ・クラッシュ」のジョー・ストラマーが担当しており、音楽ファンも必見となっている。
しかし、その一方で、重度のドラッグ中毒者だったシドとナンシーの死を美化した内容に、「セックス・ピストルズ」のメンバーであったジョニー・ロットンや「ニューヨーク・ドールズ」のジョニー・サンダースら、実際にシドと交流があったアーティストたちは辛辣で批判的なコメントを残しており、大きな波紋を呼んだ作品でもある。
シド生誕60年を目前に、ドキュメンタリー映画とともにデジタル・リマスターで蘇る本作に注目してみて。
『SADVACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー』『シド・アンド・ナンシー』30周年デジタル・リマスター版は、12月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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