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【インタビュー】師弟?バディ?『ファンタビ』エディ・レッドメイン&ジュード・ロウの素敵な関係

日本での豪華過ぎる一夜の背景にはもちろん、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』がある。エディ・レッドメインは前作に続き主人公のニュート・スキャマンダーを、シリーズ初参加のジュード・ロウはニュートの師であるアルバス・ダンブルドアを演じた。

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ジュード・ロウ&エディ・レッドメイン『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
ジュード・ロウ&エディ・レッドメイン『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 全 22 枚
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どうやら、顔を合わせたのはカラオケを楽しんだ昨夜以来のよう。互いを一目見るなり楽しい思い出がよみがえったのか、はしゃぎながら一緒に歌い出す光景がかわいらしい。ちなみに、昨夜のジュード・ロウはデヴィッド・ボウイなどを熱唱。一方のエディ・レッドメインは、「カラオケに行くときは大抵ビートルズから始め、最後はブリトニー・スピアーズで締める。でも、昨夜はアヴリル・ラヴィーンだったかな?(笑)」だそうだ。

2人はどこか対等、バディ感のある関係



『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
日本での豪華過ぎる一夜の背景にはもちろん、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』がある。エディは『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に続きニュート・スキャマンダーを、シリーズ初参加のジュードはアルバス・ダンブルドアを演じた。「ダンブルドアは自分では何もせず、ニュートにやらせる(笑)」とエディは2人の関係を茶化すが、J.K.ローリングの言葉によれば「ダンブルドアとハリー・ポッターの師弟関係とは違い、ダンブルドアとニュートはもっと対等」。「長年の友人同士」というエディとジュードも年齢差10歳でありながら、どこか対等なバディ感を漂わせる。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「最初に会ったのは、ロサンゼルスのベルエアで開かれたパーティのときだね。すごくハリウッドっぽいパーティで、“ワオ! ジュード・ロウがいる!”と興奮した」とエディ。「そうだっけ?」と記憶をたどるジュードが、「マイケル・グランデージの舞台に出ているときにも会ったよ」と返す。ジュードは名演出家グランデージの「ハムレット」「ヘンリー5世」などに出演。「でも、そのときは目が一瞬合ったくらいだったし」と笑うエディも、グランデージ演出の舞台「RED」や「リチャード2世」に出演している。「彼が芸術監督を務めていた劇場ドンマー・ウェアハウスで、いくつかの舞台に立ったんだ。ジュードもマイケルとは何度も組んでいるから、彼が僕らを結びつけたとも言えるね」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』エディ・レッドメイン『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

仲間意識が強く、共通点も多い


「あとは、こうしてインタビューを受けているとき、共通点の多さに気づいた。僕らは2人とも整理整頓が大好き、とかね(笑)」とも明かすエディ。「もちろん、今回の共演が僕らにとって大きいのは疑いようもないけど」とジュードが続ける。「一緒に何かを作ることで、信頼と絆が生まれる。それらを共有しながら、冒険に出る仲間でもあるのだから」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「しかも、僕らの映画はシリーズだから、1つの劇団で1シーズンに数本の芝居を上演する感覚とでも言えばいいかな。昔ながらの劇団みたいに、仲間意識がすごく強い」とも語るエディ。対等なバディ感も、そこから生まれているようだ。「俳優って、そういうものじゃないかな。プロの役者になって初めての舞台では、あのマーク・ライランスと一緒だった。でも、素敵なことに、彼のような名優とも舞台上では対等になれる。それは映画でも同じこと。クリーデンス役のエズラ・ミラーは僕よりずっと若いけど、彼が僕を頼ることもあれば、僕が彼に頼ることもある。役者の成長というのは、上下関係のある世界で上り詰めるのとは違うんだ」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「よく“若手にどんなアドバイスをする?”と聞かれる状況になりつつあるけど(笑)、答えはこうだ。“聞かれるまでは、アドバイスをしない”。僕らは対等だし、歩む道は各々のものであるべきで、干渉するのはよくないから。でも、何かを聞かれたら、もちろんアドバイスをする」とは、ジュードの指導者論。では、ダンブルドアはどうか。「ニュートにやらせる(笑)」という冗談はさておき、彼がニュートに託す戦いは思いのほか過酷だ。ニュートは世界の支配を目論む“黒い魔法使い”、グリンデルバルドに挑むことになる。

ジュード・ロウ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ジュード・ロウ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

万人に響くアウトサイダーの物語


「J.K.ローリングはアウトサイダーの物語を描く。なのに、万人に響くのはなぜか? それは、世の中にはインサイダーなどいないから。どんなにクールで、輪の中心にいて、生きる術をそれなりに確立してはいても、不安はある。グリンデルバルドはその不安を利用するんだ。一方、ニュートは変わり者ではあるけど、アウトサイダーである自分に満足し、ありのままを受け入れている」と、ニュートの戦いの核心に触れるエディ。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
隣で頷くジュードは本作を「決断の物語」と言い表す。「でも、本当は決断など必要ない。こちらか、あちらか。人生はもっと複雑で、どちらにも属さない人生がたくさんあるのに、グリンデルバルドは“こちらに来い”と決断を迫る。すると、人は焦って間違った決断をする。どちらにも属さずに生きることは罪でも何でもないのに」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.

2人の中で最も揺るぎないもの、それは子どもの存在


ありのままを受け入れ、自分の人生を歩む。シンプルだがときに困難を伴うことを、2人はどう実践しているのか。「自分の人生を歩む。まさにそれだよ。家族を持ち、変わらない普通の日々に戻る。その中で最も揺るぎないものは、子どもたちの存在だね。彼らが僕を日常に戻してくれる」とジュード。エディも「その通り」と同意する。「確かに、僕らは世界中を飛び回れるし、華やかな世界にいるとは思う。でも、一方では24時間おむつを替えているわけで(笑)。地に足をつけ、現実を生きないと」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「僕らが俳優だろうが、まるで関係ないからね。子どもたちにはただの父親」と笑うジュードだが、もちろん彼らは俳優としても“現実を生きている”。俳優ジュード・ロウの心得はこうだ。「仕事を一生懸命する。時間に遅れない。人の話をきちんと聞く。想像力を使う。そして、自分の情熱を信じ、愛する。好奇心を持ってね。基本的なことだと思うよ。よく聞き、よく見て、よく努力する。何もせず、簡単に手に入るわけじゃない。僕らはものすごく幸運な立場にいる。だからこそ、努力を怠ってはいけない。自分できちんと準備しなくちゃいけない。ただし、他人はどうでもいいと思ってはいけない。周りに興味を持つべきだ。作品はみんなで作るものだから。周りを拒絶してはいけない」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「ジュードの完璧な答えに100%同意するよ」と頷きながら、「でも、そうだね…。あえて言うなら、好奇心を持ち続けること。それが一番の鍵かもしれない」と噛みしめるように言うエディ。「自分に対しても、周りに対してもね。好奇心こそが、原動力だと思う」。

対人関係が苦手なニュートにも、周りに対する好奇心はある。ただ、その発揮し方がぎこちないだけ。「周りを拒絶しない」。「好奇心を持ち続ける」。そんな彼らの作り上げたニュートが、ダンブルドアが、複雑で、それでいてチャーミングな理由が分かった気がした。

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《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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