映像から舞台、舞台から映像へ「垣根みたいなものって、ないほうがいいと思う」
――加賀谷と笹岡のシーンについては、話せることもあったり、なかったり…という感じですよね。
千葉:そうなんですよね。割と、こうした取材でお話できないようなシーンでご一緒することが多くて(笑)。
鈴木:確か僕たちが一緒の初日が、WEBセキュリティ会社を起業する前の写真を撮るシーンだったんです。1時間くらい前に千葉さんと「はじめまして」と言い合っていたのに、「いきなりここ!?」という(笑)。
千葉:本当ですよね! 「スキンシップ多めで」とか言われましたよね。
鈴木:でも千葉さんは構えない状態でいてくれたので、何だか自然とやれました。

――鈴木さんは本作から参戦なわけですが、周囲の反応など、いかがでしたか?
鈴木:今日にいたるまで、周りの反応としては「えっ、出るんだ!?」という驚きが強かったと思います。あとは、皆さん、口をそろえて「犯人なんでしょ!?」と(笑)。
千葉:(笑)。
鈴木:こうした作品において、「答えると一番面白くないじゃん!」…っていうのをずっとやってきました(笑)。なので、公開されたらいよいよ解放されるというか、ホッとする自分もいますね。それに「それだけ気になるなら観てください」という感じで、いい宣伝です!
千葉:鈴木さんの出ているシーンって、後から観直すと、その演技にハッとさせられるような、絶妙な、曖昧な表情があって。いち観客として、すごくグッときました。
鈴木:うれしいです。
――千葉さんは、鈴木さんの出演を知ったとき、どう感じていたんですか?
千葉:僕、垣根みたいなものって、ないほうがいいと思っているんです。舞台をやっているとか、声優さんであるとか。逆もしかりで、映像をやっている人が舞台に出る、とかは「新しい試み」と大きなものとして捉えられがちだと思うんです。けど、いち表現者としては、そうやって行き交うのはすごく素敵なことだと考えているので。

――凝り固まらずにジャンルを決めなくていいんじゃないか、というお話ですよね。
千葉:そうです。だから…すごくおこがましいけど、僕は鈴木さんも鈴木さんとして(見ている)というか、「よろしくお願いします!」という感じでした。逆に、僕が舞台をご一緒させていただくとなったら、めちゃくちゃ「ついていきます!!」という感じになっちゃうと思うんですけど(笑)。舞台でも、ぜひご一緒したいです。
鈴木:もちろんウエルカムです! 僕もいまのお話、すごく共感します。垣根なくいきたいですよね。
――鈴木さんは、今後、映像作品に出演するとしたら「こんな役をやりたい」など、ありますか?
鈴木:普段、舞台が多いのと、エンタメ性が強いテイストの作品が多いので、なかなか普通のサラリーマン、IT企業の社長、ましてや父親なんて、演じたことがないんです。映像に出られるなら、そういった今までやっていない役柄を演じてみたいな、と思いますね。
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