本作は、レオナルド・ディカプリオも激賞したドキュメンタリー映画『happy - しあわせを探すあなたへ』のプロデューサーを務めた清水ハン栄治の初監督作品。在日韓国人4世である清水監督は、幼い頃から帰還事業で北朝鮮に渡航後に消息を絶った人たちの話を聞いており、実際に収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い、10年もの歳月をかけて作り上げた。

強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆・ユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが、実写ではなく、あえて寓話的なアニメーションで描かれた本作は感動と評判を呼び、アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威あるアヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネート。韓国のプチョン国際アニメーション映画祭長編部門の特別賞をはじめ海外の映画祭を席捲、昨年の第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」でも正式上映され話題となった。
音楽監督はディズニー長編アニメ映画『ムーラン』(1998年)のマシュー・ワイルダーが担当した。
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今回解禁となる新予告編では、「12年前、私は母国から亡命しました。これは私の家族の物語です」とカメラに向かって語りかける男性の言葉から始まる。
1995年北朝鮮・平壌、両親と幸せに暮らしていた主人公ヨハンは、突然父が政治犯の疑いで逮捕され、母と妹ミヒとともに悪名高き強制収容所に送還されてしまう。「お母さん心配しないで。僕が母さんとミヒを守る」とヨハンは決意するが、飢えと極寒の中、「お前らは皆使い捨てなんだよ」と過酷な労働を強いられる。そんな生存競争の中、ヨハンは次第に優しい心を失うが、家族を失ったことで本来の自分を取り戻していく――。