アニメーション業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく奮闘する者たちの姿を描いたお仕事ムービー『ハケンアニメ!』。豪華キャストが集結する本作だが、SNSでは特に中村倫也が演じる監督・王子千晴に期待の声が寄せられている。
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物語のキーパーソンとなる王子は、吉岡里帆扮する主人公・瞳の最大のライバル。覇権を争う相手だ。いまの瞳と同じ28歳の頃に手掛けた『光のヨスガ』で脚光を浴びたスター監督である王子は、瞳をこの業界へ導くきっかけを作った張本人。久々の新作『運命戦線リデルライト』(通称:リデル)を引っさげ、瞳のデビュー作『サウンドバック 奏の石』(通称:サバク)と同クール、同時間帯を争う。
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普段は飄々としていて、周囲に軽口を叩いたり、ライバルであるはずの瞳にも気さくに話しかけたりと余裕綽々の王子。しかし、アニメへの強すぎる想いから「納得のいかないものを世に出したらおしまい」という気概とプレッシャーを抱え、人知れず“天才”ならではの葛藤を抱える繊細な一面も併せ持っており、観客は、人間味溢れる内面とのギャップに、思わず惹かれてしまうこと間違いなし。
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そんな再び表舞台に出ることになった王子だが、その足がかりを作ったのが、プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)。次第に彼女の姿に心動かされ、王子は信頼を寄せていく。制作を通じて、王子の心情が変わっていく様子も見逃せない。
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繊細さも兼ね備えた天才アニメ監督という役柄で、新たな魅力を発揮している中村さん。「王子はわがままな子供のようでありながら、実は繊細なところもあり、周りのこともよく見ている。それらをひっくるめて監督という立ち位置にいるので、わざと傍若無人に振舞っている部分もあるのかなと。クリエイターとしては、相手が誰であろうと、面白いものを作る・考える人に対してはリスペクトがある人なんだなと思いました」と語る通り、あえて演じている表の顔と、作品作りのときに見せる別の顔、真剣な眼差しに注目だ。また、1人7役に挑戦した『水曜日が消えた』に続き、中村さんと再タッグを組んだ本作の監督・吉野耕平は、「頼れるバッターのような存在」だったと中村さんについて明かしている。
『ハケンアニメ!』は5月20日(金)より全国にて公開。