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【インタビュー】新垣結衣、芝居は「見え方を意識しない」経験から導かれた表現術

ヤマシタトモコの人気漫画を、新垣結衣主演で実写映画化した『違国日記』。原作の大ファンという新垣さんに、撮影の舞台裏と自身の芝居に対する「無意識の変化」について伺った。

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ヤマシタトモコの人気漫画を、新垣結衣主演で実写映画化した『違国日記』が、6月7日(金)に劇場公開を迎える。

ある理由から疎遠だった姉が事故死。姪の朝(早瀬憩)と久々に再会した小説家・槙生(新垣結衣)は、葬儀会場で腫れ物を扱うような目に遭っている彼女を見て「たらい回しは無しだ」と朝を引き取る決断をする。その日から始まる同居生活を描いた物語だ。

「あなたの感情も私の感情も自分だけのものだから、分かち合うことはできない。あなたと私は別の人間だから」というセリフに代表されるように、真の意味で他者を尊重しながら寄り添う道を探していく人々を温かく見つめる本作。原作の大ファンという新垣さんに、撮影の舞台裏と自身の芝居に対する「無意識の変化」について伺った。

原作の魅力「日々を優しく丁寧に生きている姿が愛おしい」


――『違国日記』が映画化されると聞き、最初に新垣さんのビジュアルを目にした際に「槙生ちゃんだ!」と感じました。どのように具現化していかれたのでしょう。

とにかく原作を何度も読み返して、画を自分の中にしっかり焼き付けて「こんな感じではないだろうか」とイメージしながら演じていった、ということに尽きます。自分の中だけじゃなくて見ていただいた方にも伝わっているのであれば、すごく嬉しいです。

私自身が元々原作を好きだったということもあり、オファーをいただいた際には驚きと、好きな作品なので嬉しい気持ちと、だからこそプレッシャーを感じました。自分自身に対しても、ハードルを上げてしまうところがありました。本番前には、頭の中で原作の該当シーンの槙生ちゃんの顔を再生して臨んでいました。

――新垣さんにとっての、『違国日記』という作品自体の魅力をぜひ教えて下さい。

好きなところは本当にたくさんあって挙げたらきりがありませんが、まずはこの作品ならではの言葉選びが好きです。『違国日記』の登場人物たちも、それぞれが“違う人間”であることを理解しながら、誰かと一緒にいて楽しくなったり寂しくなったり、トラウマに触れることもあったり、様々な気持ちになった事実をただただ抱えながらも日々を優しく丁寧に生きている姿がとてもリアルですし、愛おしく感じます。

――ご自身にとって思い入れがある作品であるぶん、映画づくりという多数の方々が関わる創作の場では、必ずしも他者と解釈が一致しないこともあったのではないでしょうか。

撮影に入る前に瀬田なつき監督にお会いして、作品についての話し合いをさせていただきました。そのうえで、実際の芝居の細かい部分については任せていただけた気がしています。もちろん監督の中で「このシーンではこういう風に見せたい」が演出としてあるので、そういったことは現場で確認しながら調整をしていきました。

衣装やヘアメイクについては、事前にスタッフさんが用意して下さったものをとにかく全部着てみるのですが、やはり実際に身につけてみないとわからないもので、アイテムだけ見ると槙生ちゃんっぽくても、私が着るとサイズ感やデザイン的にこっちのほうが槙生ちゃんに近くなる、というものはやっぱりあって、みんなで意見を出し合いながら進めていきました。

スムーズにいかなかった印象は全くないのですが、かといって最初からバチッと決まったということもなく、常に確認しあいながらの作業でした。


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《text:SYO/photo:You Ishii》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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